第29話 授業

「魔物は動物、植物、鉱物、無機物に魔素が溜まり魔石となることで変化が起こり魔物に変わります。魔素は空気中に存在しますが場所によって濃度が違います、これにより魔物の発生場所は絞られます。

 では濃度の濃い場所はどんな所でしょうか?誰かわかる人はいますか?」


「はい、先生!」


「はいそれではランゼル君に答えて頂きましょう」


「植物の多い深い森、洞窟内の鉱物の密集している場所、魔素の溜まりやすい魔素だまりです」


「はい良いですね、濃いほど強く、大量の魔物が発生すると考えられています。」


「魔物を倒すと手にはいる魔石は魔道具に使われて生活に取り入れられています。弱い魔物の魔石は灯りや水源、浄化の技術を発展させ、現在の生活を支えていますね」


「それでは今日の授業はここまでです。

 選択科目の提出とクラブ活動の体験入部は今月一杯までですからね」


 クラブ活動か、運動部、文化部何に入ろうかな?


「ルディアちゃんはどのクラブに入るの?」


「わたしは夕食を作らなきゃだから入らないよ」


「まてまて、夕食はみんなで当番を決めて作る事とする。日によっては外食をして負担を減らす。なのでルディアもちゃんとクラブに入るんだ」とお兄ちゃん。


「わたしの生き甲斐を奪う気?」


「ルディアのミーアを想う気持ちは分かるが、もう少し肩の力抜いて、ルディアも学校生活を楽しま無いと損だぞ」


「私もお兄ちゃんに賛成だよ、ルディアちゃんと一緒にクラブ活動したいな、お願い」


「うぅ、うん、わかったよ、ミーアちゃんがそこまで言うなら、考えてみるよ」


 ルディアちゃんにもしっかり学校生活を楽しんでもらいたいからね。


「で、お兄ちゃんはどのクラブに入るの?」


「ん、俺は生徒会に入らないと駄目でな、王子だから強制的にだ、よってクラブに入ってる余裕は無いのさ」


「んーそれじゃあ、しょうがないか、ちゃんと生徒会頑張ってね」


「ミーアちゃんのクラブには予算多めにしなさい」


「当たり前だろ!全予算の10割振ってやるよ!」


「それは職権乱用って言うんだよ!絶対に駄目だからね、絶対だよ!振りじゃないからね!」


「「ちぇっ」」


 2人ともこんな時だけ仲が良いな。




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