第18話 夫婦の話
「あなた!子供が欲しいの!」
「ブバッ!ゲホッゲホッ!」
私の名はバロン、仕事をひとだんらくさせて紅茶と楽しみとっておいたドーナツを楽しんでいた。
妻の突然のアプローチに盛大に噴き出してドーナツにぶっかけてしまったけどな。
「エリナ随分積極的だね、もちろん子供は好きだし何人いても良いのだけど、出来れば後継ぎに男の子が嬉しいな」
「女の子がいいの!」
「さすがに性別の指定はむりでは?こればかりは産まれてみないことにはね」
「もう産まれてるわよ」
「産まれてるの!?いつの間に産んだの?」
「5年前よ」
「5年前!?」
「あなたも知ってるでしょ?」
「知ってるの!?」
俺の知らないところでいつの間にか娘が産まれていた件について。
どうしよう俺はその子にどう接してあげたらいいんだ。5年間も知らなかったなんて父親失格ではないか。
「会ったことあるでしょ」
「いやいや、もう一人娘が居たなんて今知ったぞ!なんで俺知らないの?」
「何を言ってるの?ルディアちゃんを養子に迎えたいと言う話よ?」
「ルディアちゃん……あぁ、あの子だね……えっ?容姿?養子?俺の知らないところでいつの間にか娘が産まれていた件についてじゃ無くて?」
「そんな略したら俺の娘が馬みたいなことじゃないわよ、ルディアちゃんを養子になってもらいたいのよ」
「そうか理由を聞かせてもらえるかい?」
落ち着いて紅茶のかかったドーナツを食べる。
「あの子を弟子にすることにしたんだけど、弟子入りの条件に模擬戦をしたの、
力を解放した私が回避に専念しないと間に合わない程のスピードだったわ、攻撃もまともに食らったら危険ね。
魔術も妖術も使っていない私も知らない力だったわ、
力の源はミーアへの想いと言ったところね、あの子にはミーアが必要でミーアとなるべく一緒に居させた方が良いと思うの」
「エリナとそこまで戦えるとはね。力を見守る為に近くに置くのは良いかな、もちろん本人が望まなければ無理強いはしないからね」
「えぇ、もちろんよ、絶対にうちの子してみせるわ」
エリナは宣言すると残っていたドーナツを食べてしまった。私のドーナツ……。
「それはそうと、私も子供は何人いても良いわよ?あ・な・た♥️」
ふたりは隣の寝室に入って行ったのだった。
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