第17話 第三王子様 / 弟子入り
その王子様が、生まれたのは今から5年前になる。3人目であったこともあり、すんなりと生まれたと言う。
問題は生まれて直ぐに王子様は言葉をしゃべったのだ。そう
「いもうとはどこにいる」と
いきなり妹をねだるとは大したものである。そのおかげかは不明だか翌年には無事に妹が生まれたのだった。
第三王子様は優秀だった。魔術、剣術、勉学、料理、政務、何でもこなせる天才児だった、ただ一点、妹探しをする以外は。
ついた異名は『みんなのお兄様』『シスコン王子』『へんたいの天才さん』
彼の名はランゼル。第三王子様である。
そして、彼はある町の事件を耳にしたのだった。正体不明の魔物に襲われた町の話、オセロなどの玩具がその町で発明されたことを知ったのだ。
「これは見つけたかもな」
そのように王子様は呟いたのだった。
◆◇◆◇
私の名はエリナ、今は町長の妻として家族と幸せに暮らしています。結婚前は魔術と武術の師範代として自らを鍛えながら次世代の指導をしていました。現国王の妹で第二王女でした。
もう弟子は取らないつもりでしたが、いま目の前に居る子は指導したいと思える女の子です。
この町に来てからは師範代をやっていたと言っていないので小さい子は知らないはずです。情報もとは雑貨屋のトイさんらしいので、仕方ないですね首が寝違える呪いでもかけておきましょう。
ミーアの友達のルディアちゃんになぜ武術を習いたいのかと聞くと、
「ミーアちゃんはわたしを助けてくれました。だから今度はわたしがミーアちゃんを助けたいの、そのためには戦い方を知らないと力になってあげられないミーアちゃんの友だちとして一緒に歩いていくために、わたしに武術を教えて下さい、お願いします!」
少し雰囲気が変わりましたね。真剣なようなので直ぐに許可してもいいのですけど、
「わかりました、それでは試験をします。私と模擬戦してもらいますね」
「はい!試験に合格して弟子にしてもらいます!」
どこか丁度良い場所はあるかしら?少し町から離れた草原地帯なら平気かしらね。
「火衣」
私は力を解放し八尾になる。
「さぁルディアちゃん移動するから手を繋いでね」
「風術『空歩』」
空を歩いて移動する。目的地まで一直線に行けるから便利なのよね。
「風術『心眼』」
移動中にルディアちゃんの力を視ておく、ずいぶん力を秘めているわね。これは化けるかもしれない。
空の散歩を済まし目的地に到着
「さて、全力でかかってきなさい!」
「はい!行きます!」
ルディアちゃんの尻尾が光出す。
一撃目は純粋な右ストレート、同じく右ストレートを合わせる。
バンッ!!衝撃波が周囲に広がる、これは凄いわね、打ち負けずにしっかりと拮抗しているなんて。次はどうかしら
拳を解き、右腕を掴んで投げ飛ばす、直ぐに体制を立て直し間合いに入ってくる、スピードもかなりね。けど
今度は右ストレートを回避して左のボディブローを当てる。
「がはっ!」
「どうしたの、この程度ではダメよ、ミーアを守るんでしょ?」
「ミーアちゃんは、わたしが守るんだ!」
尻尾の光が強くなったわね。
突進からの右ストレート、再び右ストレートを合わせる。
バンッ!私の方が弾かれた!?追撃が来る、
「風術『領域』」
反応速度を上げて無理矢理回避する、速い!回避に専念しないと間に合わない!
「ミーアちゃん!ミーアちゃん!ミーアちゃん!!!」
尻尾の光が金色に輝いている。まずい暴走してる?止めないと!
「風術『嵐刃』」
動きを封じ、一気に気絶させる。
この子は放っておけないわね……しっかりと力の使い方を教えてあげないといけないわ。
こうして、私は再び弟子を取ることになったのです。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます