第15話 目覚め

 ◇◆◇◆


 少々予定と異なりましたが、誤差の範囲ですね。まさかこれ程の力を秘めているとは嬉しい誤算でした。

 これからも頑張って下さいね、簡単に死なねると私も困ってしまいますからね。


 一部始終を見ていた者は8本の黒い尻尾をなびかせて消えていった。


 ◆◇◆◇


 目が覚めるとそこは知らない天井でした。

 ……本当にこのセリフが言えるとは思わなかったです。ここはどこでしょう?


「目が覚めたのね、ここは治療院よ」


 こちらに気づいたお姉さんが教えてくれた。

 治療院か、中に入ったことないから分からなかったな。


「体調はどうかしら?貴女は2日間眠っていたのよ、覚えているかしら?とにかくご家族を呼んでくるわね」


 えっと、確かお祭りで家族みんな影で色々やっててお説教して、湖でルディアちゃんと話して……そうだ黒い炎のよくわからないのに襲われたんだ!ルディアちゃんは無事!?

 あっ!横のベッドに寝てるね、良かったよ助かったんだね。

 私はベッドを降りてルディアちゃんのもとへ、髪を撫でてあげる。


「おやっ?ルディアちゃんの様子が」


 ほんのりと光っている!進化するの?だめだよルディーアスとかに進化しちゃキャンセルキャンセル、光が収まるとルディアちゃんは目を開けた。


「おはようルディアちゃん大丈夫?」

「……ミーアちゃん、わたし、わたしね……」

「うんどうしたの?どこか痛いの?」

「わたしね、お腹すいたよ」

「ルディアちゃーーん!」


 元気なようで良かったよ。


「「ミーアーーー!!!」」


 お姉ちゃんとお兄ちゃんとニゲラくんが現れた。黒い炎と戦ったのに怪我してないのかな。


「ごめんねお姉ちゃん達が弱いばかりにミーア達を危険から守ってあげられなかったわ」

「お父さんとお母さんは会議中でちょっとゴタゴタしてて抜けられないみたい」

「ルディアも目を覚ましたんだね、本当に無事で良かったよ」


「うん、大丈夫だよ。助けに来てくれたんだもん、ありがとうね、それより怪我してないの?」

「あぁ、僕たちは魔術を破られてすぐに気絶したらしくてね、それだけで怪我してないんだよ」


 じゃあ最初から私だけを狙ってたってことかな?いったい目的は何なのだろう?

 それも気になるけどもうひとつ確認しないといけないことがあるからそっちを優先しよう。


 お腹がペッコペコだったのでしっかりとご飯を食べてから、今は湖に来ています。


「さて、ルディアちゃんしっかり見ててね」

「ミーアちゃん頑張ってね!」


 私は服を脱ぎ全裸になる。

 そして湖に飛び込み泳ぎ出す!やっぱり泳げる!泳げるぞー!

 と言うか息が苦しくないのだ水中でも呼吸?ができている。


「おお!ミーアちゃんが泳いでるよーやったね!おめでとう!」


 私はついに泳げるようになったのだ!












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