第11話 お祭りの日

 お祭り当日、朝に町長の挨拶がありお祭りが始まります。出店を出す人、大道芸のパフォーマンスする人、展示物を出す人、今回はオセロ大会も行われるらしいです。夕方にはかがり火を焚いて伝統の舞いが始まります。ニゲラくんはオセロ開発者として大会に参加したり、お父さんの手伝いだったり忙しいみたい。なので私はルディアちゃんとお祭りを見て回ります。


 お祭りなら浴衣なのですが、私の浴衣はピンク色のフリフリ付きなのです。首には3人で作ったペンダントを着けています。

 この浴衣、去年の私はよくこれを着たなと思います。1年で羞恥心が芽生えたようです。ですが5歳の女の子が着るので問題はありません、外見は問題ありません。


「ミーアちゃん可愛いね!」

「いいえ、真に可愛いのはルディアちゃんだよ!天使様降臨だよ!会えて嬉しいよありがとう天使様!」

「ミーアちゃん元気だねー」

 ルディアちゃんの綺麗な銀髪に白い浴衣はとてつもなく似合っている。妹にしたい幼女1位ですね。もう連れて帰ろうかな?よし連れて帰ろう!

「ミーアちゃんどうして家に戻ろうとするの?お祭り行くんでしょ?」

「あっとそうだったね、危なく越えてはいけない一線を越えるところだったよ」

 いつの間にかルディアちゃんの手を引いて家に帰ろうとしていた、本能に抗えなくなるとは、この幼女凄いな。


 何はともあれ、無事に広場にやって来ました、中心に九尾様の像があり結構広い所ですが今日は人だかりが出来ています。

 ……やはり九尾様は格好いいですね。

「ミーア?」

 ……九つの尻尾の素晴らしい事、製作者の意気込みを感じますね。

「ミーアちゃん?」

「どうしましょうミーアが反抗期だわ!」

「そんなミーアも可愛い!」


 ……現実に目を向けますか。九尾様の像の隣には私の像が並んでいます、2体。


 アイナお姉ちゃん作、白雪氷の天使ミーア

 氷の厚さ、濃度で濃淡を表現しつつ光の当たりかたで表情が変わる拘りです。


 リオンお兄ちゃん作、大地の聖女ミーア

 土の色合いを見事に調整し、本当に土だけで作られているのか信じられない程の色合いです。

 2人ともこの努力の方向をもっと違うことに向けて欲しいです。


「ミーアちゃんの像とても素敵だね、けどここはもっとこうした方がミーアちゃんの良さが出ると思うよ」

「!流石ねルディアちゃん、鋭いところを的確についてくるわね」

「うむ、今度のミーア製作会議には是非とも協力してもらいたい」

 ……ルディアちゃん?君もそっち側かい?


「お姉ちゃんお兄ちゃん私たちはお店見て回るからもう行くね」

「夕方には私たちも合流出来るからね、一緒に踊りましょうね!」

「うん、わかったーまた夕方にね」


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