第8話 匠の技(愛の力)
出掛ける前は極々普通のお庭だったのに、
なんと言うこと事でしょう、お庭に私ミーアの像が建っているではありませんか。
身長も体格も現在のミーアを忠実に再現している拘りが見えます。
服装はフリフリの豪華なドレスを着ています、もちろん本人はそんな服を持っていないので匠の技(愛の妄想力)が光ってますね。
そんなわけで家に帰るとお庭に私の像がありました2体。犯人はお姉ちゃんとお兄ちゃんですね、像を見て満足気に頷いてます。
「今度のお祭りで飾るために練習してるのよ」
「どちらがよりミーアの魅力を引き出しているか人気投票してもらう予定だよ」
お姉ちゃんの氷の像、お兄ちゃんの土の像、雪まつりとサンドアートかな?
「充分凄いと思うけどな?」
「まだまだよ、お祭りまでもっとクオリティーを高めないとプロの名が泣くわ」
何のプロなの?
あと10日で町のお祭りがあります。去年は2人とも二尾になってなかったから魔術でこんなことは出来なかった。普通にお祭りを楽しみました。串焼き美味しかったなー!出来れば綿飴とか、りんご飴とか前世で憧れたお祭りで売ってる物食べたり、射的、金魚すくい、くじ引きも有ればなー。
食べ物屋さんや雑貨屋さんが中央広場に出張して集まるので活気はあるけどね。私も何か作ろうかな?いつもの感謝の印にプレゼント作ろうかな。
「ところでミーアはどっちの像が好き?」
「ミーアの像だし本人の意見を聞きたいな」
「えっ?私は……」
うーん、氷の像は透明感があり光かたも計算しているのかキラキラしている、一方土の像はメリハリがしっかりしていて滑らかな表面は今にも動きだそうである。どちらも甲乙着けがたい傑作ですね。
「ちょっとミーアを困らせてはダメよ?」
「お母さんいつの間に?」
「ふふふ、最初から居たわよ?それよりこれを見てミーア」
お母さんは手のひらを見せてきた。
「なーに?」
「ふふふ、3、2、1、はい!」
「「「えーーー!?」」」
手のひらに像が出来上がりました!ミーア像です。素材は何だろう?いえいえそれよりもこれは色が付いてます!今の私の姿そのものです!完全再現十分の一フィギュアです!
「お母さんの優勝ね?2人とももっとクオリティーを高めないとダメよ?頑張りなさい」
「「「えーーー!?」」」
その後、私は2人のクオリティーアップの為の生け贄……協力者としてじっくりと細かく観察されるのでした。流石お母さん、私の観察では1番ですね。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます