第580話 寛大
「元に戻して下さい!」
『無理〜。』
「あったまきた、戻せや!」
『戻せですか?
最高神相手にいい度胸ですね?』
女神様の言葉に最高神様がキレたようだ。
ヤバい、さすがに最高神様を怒らせるのは得策ではない。
「最高神様!
女神様は私を取られたと勘違いしているだけです。
どうか寛大な処置を‥」
最高神に深々と頭を下げる。
『別に怒ってませんよ。
まぁ、確かに私に取られたと思わせたのは私が悪いですね。
女神よ!
私は斗馬を取ったりしない。
そもそもこの世の物は全て私のものだからな‥』
話の途中までは良かったが、最後の言葉で台無しだった。
「キィーー!
やっぱり取ってるじゃないですか!!」
女神様がさらにヒートアップする。
あ〜もう、こうなったら‥。
俺は発狂する女神様を抱きしめる。
そして‥
「大丈夫。
俺は女神様のものだから。」
俺の言葉を聞いて女神様の怒りがおさまる。
「斗馬、愛してる!」
女神様が目を閉じてくるので、それに応える。
『なんでしょう‥
とても面白くないですね。
何でしょう、この感情は‥
貴女の気持ちが少しだけ理解出来ましたよ。
私もこの男に興味が湧きました。
それに誰にも渡しなくない。
私だけを見て欲しいと‥
ふふふふふふ
これが嫉妬ですか。
あ〜面白い。
面白いですよ!』
最高神様がぶつぶつと小さい声で呟いているが、小さ過ぎて内容までは聞こえなかった。
・
・
・
「ふふふ
斗馬は私のもの。
最高神様、振られてやんの。」
ニコニコした女神様が俺の腕に抱きつきながら、不穏な事を口にする。
『マジで存在ごと消そうかな、コイツ。』
最高神様も不穏な事を口にする。
「まぁまぁまぁ、ここは寛大な心で!」
さすがにヤバそうなのでフォローする。
『貴方に悲しい思いをさせたくないので我慢しますが‥
貴方の為だからね。』
「ありがとうございます。」
一応お礼を言うが‥
やっぱり、最高神様の性格変わっている気がする。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます