第579話 寝取り

 突然、最高神様からご自身の眷属にしたと伝えられる。


「「え?」」


 驚いた声をあげるが、女神様も同様に驚きの声をあげた。


「ちょっと、私に断りもなく眷属にしたのですか!?」


 女神様はあきらかに動揺している。


「そもそも眷属化って何でしょうか?

 神の使徒とは違うのですか?」


 冷静そうにない女神様を避け、最高神様に質問する。


『眷属と使徒は全く別の物です。

 使徒はあくまでも神の使いなので、多少信用できればなれます。

 それに対して眷属は、自分の家族にするようなもの。

 簡単になれるものではありません。

 あっ、吸血鬼などの眷属と同じにしないで下さいね。

 あれは部下にするようなもの。』


 最高神様が神々しい光を発しながら説明してくれる。


「そんな特別なのにどうして俺なんかを‥」


 正直、最高神様に何で眷属にしてもらえたのか理解出来ない。


「そうですよ!

 人の伴侶を眷属化させるって‥

 寝取りです!

 人の男を取らないで下さい!!」


 女神様が最高神様に詰め寄る。


 女神様、最高神様に詰め寄って大丈夫かな?


『寝取りって何の事ですか?

 ちょっと待って下さい、すぐに調べるので‥‥‥

 誰が寝取りですか!!

 いくら寛大な私でも怒りますよ!』


 最高神様の光が怒りのせいなのか、さらに強くなる。


 ちょっ、眩しいです。


「ん?

 ちょっと待って下さい。

 斗馬は私の眷属にしていたはず‥

 最高神様が眷属に出来るわけが‥」


 女神様が何かを思い出したのか呟きだす。


『確かに女神の眷属でしたよ。

 上書きしましたが‥』


 最高神様が火に油を注ぐ。

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