第112話 号泣


葵さんのパンツ騒動もおさまったのでアリアの様子を見に行くことになった。


隣の部屋に行くとアリアは医療カプセルの中で眠っていた。


出会った時より表情が柔らかくなっている。きっと痛みが消えたせいだろう。


葵さんからそろそろ起きるとの事だったのでカプセルから離れてその時を待つ。


それから数分後カプセルの蓋が開きアリアがカプセルから出てくる。


何て声をかけようかと迷っているとアリアが辺りを見回して俺を見つけると走り寄ってきた。


まさか走るとは思わなかったので驚いているとアリアはそのまま俺の胸に飛び込んでくる。


俺は感極まってアリアを強く抱きしめる。


アリアも俺の胸の中で泣いていた。


その後二人で涙していると近くにいた葵さんがわざとらしく咳をして口を開く。


「私の事を忘れてませんか?」


突然の言葉にアリアと二人して笑うのであった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る