第28話 押さないで


 様々な思惑が入り乱れていたが、まずはこの先にあるホセの街を目指す事になった。


ルナ様とソフィアさんを座席に座らせて、バスを走らせる。


あー、やっとバスが運転出来たよ。

せっかく異世界に来たのだから思いっきりバスを走らせたいのに‥‥中々思い通りにいかないものだと落胆していた。


寝ている人もいるので速度を落として、ゆっくり走っていると、誰かが降車のボタンを押したようでピンポン!っ音が響く。


鳴るとは思わなかったので思わずビックリしてしまった。


誰も聞いてないと思うが、どうしてもアナウンスを言いたくなる。


「次はホセの街、ホセの街です。お降りの際は、バスが停まってから移動して下さい。」


思わず言ってしまった。


何か懐かしいなと思っていると、またピンポン!と鳴る。


「次はホセの街、ホセの街です。お降りの際は、バスが停まってから移動して下さい。」


また条件反射でアナウンスしてしまう。


ピンポン!

ピンポン!

ピンポン!


誰だよ!押しまくる奴は!!


バスを停めて、後ろを振り返るとルナ様とソフィアさんが競ってボタンを押す姿があった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る