第3話 再会
「今日から高校生か」
色々あった春休みも昨日で終わり、今日は入学式だ。大事な会議が
重い足を運びながら、入学の準備をする。準備と言っても制服に着替えて、その他必要なものを学校指定の
見慣れた街の
(あの後ろ姿は……)
そんなはずはない。まさか同じ高校だなんてあるはずもない。そう思うのだが、高校からの家の近さといい否定も出来ない。
重い足を前に出しながらも、
(あれ?こっちに曲がったような気がしたんだけどな)
最後に見えたのはかなり
制服はうちの高校の女子と同じだったので、もしあの女性が
見間違いかな?そう思う事にした。同じ高校ならとても気まずい。出会ったばかりなのに最後までした人と、どう接すれば良いかなんて分かるわけもない。
少しだけ時間を
「受付は終わりです。今渡した
「分かりました。ありがとうございます」
受付を済ませ、渡された封筒の中を
「俺は、1年3組か」
クラスの人の名前が書かれた紙も入っていたので、ついでに確認した。
重かった足も少し軽くなり、3階にある教室へ行くために階段を
「あ、キミおはよう。同じクラスの
「俺は
教室に入った
自分の席に座ると、俺の
「席そこなの?」
「違うよ」
「なんでそこに居るんだよ」
「キミ、童貞じゃないでしょ?」
「は?なんだいきなり」
初対面のやつに、男子中学生みたいなノリをされては対応に困る。そして、事実なのでさらに対応に困る。
「俺さ、そういうの分かるんだよね」
「なんだそれ」
「ま、仲良くやろうな!」
「あぁ、そうだな」
何が言いたかったのか、俺にダル
「
一人
集中して読んでいたのもあり、何人か教室に入っていくのが視界に入っていたが、気がついたらほとんど全員
「おぉすげぇ」
「え、可愛い」
「あんなの本当にいるんだな」
周りの声がガヤガヤと音量がドンドン上がっていくので、周囲の視線の先を辿ると、いないと確認したはずの彼女がいた。
再度確認する。クラス
「*特別入学により、もう一名生徒が増えます。(
裏口入学じゃない
もう二度と会うことはないと思っていたが、家の近さ的に可能性が0ではないという事を最初に考えておくべきだった。
そう後悔してももう遅い。今日からは大変な生活になりそうな、そんな気がした。
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