第三章 空虚な質量

そこにはたくさんの宇宙がいた。

宇宙は空腹だった。

お腹がすいていた。

物質、質量というエネルギーを吸収しなければ生きてゆけなかった。


宇宙は宇宙を食べ始めた。

共食いが始まったのだ。

食うか、食われるか。


「ここは何処」

「ここは地獄だよ」


宇宙は泣いていた。

正しいものなどいなかった。


「お前を食べなきゃならない、お前に食べられる前にお前を食べるんだ」


誰も信じられない。

自分が恐ろしい。


たった一人だ!

たった一人だ!


最後に巨大な宇宙がひとつ残った。


最後の宇宙も飢えて死んでいった。

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妄想聖書 丸我利伊太 @wxy123

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