第3話

「ちょっと!ストップ!ウェイト!タイム!」


 気が付くと少女と一緒に不思議空間にいた。


「どうかしましたか?お姉さん」



「あの、私の元の世界の貯金とか私物はどうなるのでしょうか?」


「ああ、そうですわね。……気になります?」


「そうですね!私、気になります!」


「ふふふ。お姉さん、そのセリフはJK以外は言っちゃ(`・д・)σ メッなヤツですわよ?」


「いや、今のはそう言うつもりで言った訳では…」


「そうですか?でもアタシ、いつか言ってみたセリフ100専とかって普通に皆さん持ってるものだと聞いてますけど」


「いや、普通には居ないでしょ」


「そうですか?」


「どう考えてもマイノリティ…いや、そうで無くて」


「あ、はい。元世界の資産や資金についてですよね」


「そう!それ!」


「一応、お姉さんの場合は還元は、されますよ?」


「何故に疑問形?」


「う〜ん。お姉さんのケースは珍しいのですよ。基本、皆さんランクの高い世界へ行きたがりますのですよ。まあ、ランクが高い程、世界は安定して暮らしやすくなってますからね。但し、その分元世界の資産や資金、地位等を還元し、そのポイント上限内の世界へ行って頂いてますの」


「ふ〜ん。そう言う仕組みなんだ…え?それだとこれから行く世界って」


「まあ、元世界よりは暮らし辛いですわね」


「ちょっと!」


「でもお姉さんの望みを叶える為には仕方がないのです。格差におけるギフトポイント付与は裏技みたいなものなので」


「裏技……まあ、いいわ。それで資産と資金は?」


「それはギフトポイントに還元されますわね。但しお姉さんの資産と資金から5%は弊社に支払って頂きます。アタシ達もこれが仕事なのでボランティアと言う訳にはいかないのですよ。えへへ」


 クッソ可愛いいな!!

 守りたい!その笑顔!!


「でも還元って事は私の元世界の資産と資金はどうなるの?」


「それは、別世界から来られた何方がお姉さんの立場に収まるので、その方の資産や資金になるのですよ」


「え?」


「その方も元世界の資金や資産を還元してますのでそれに見合った資金や資産を受け取れるのですわ」


「なるほど、ならば私の資産や資金と同程度の資金や資産が次の世界に用意されているって事なのね」


「そう言う事になりますわね。まあ、正確には同程度ではないのですけど」


「どういう事?」


「基本は等価交換ですけれど、実際には査定がされますし、弊社へのお支払いと基本ギフトが強制されますので、本人にとって同程度と言う訳ではないのですのよ」


「まあ、それは仕方がないだろうけど。そう言えばさっきから気になってたんだけど、他世界の人物を現世界に収めるって、どうやってるの?」


「ああ、それはチェンジリングを使うのですわ」


「チェンジリング?でもそれって子供の時にするものじゃ?」


「はい。子供の時にする場合が多いですわね。でも大人でも出来るのですよ」


「そうなんだ。……ん?でも、それだと顔とか性格とか違って周りが混乱したりしないの?」


「そこはギフトで世界の認識を変化させるのですわ」


「なるほど、世界を騙す的な?」


「える・ぷさい・こんがり〜なのですね!」


「いや、だ・か・ら」


「因みに幻惑ギフトは基本装備なのですわ!」


「あ、そうなんだ」


「後は、言語翻訳ギフトも標準装備ですわね」


「あ〜まあ、そうだよね。無いと困るよね」


「はい!ですが偶にギフトポイントギリギリで基本装備のギフトを取らない方もおられるので、そう言った故意の事故防止の為にもアタシ達、次元渡航案内人は存在しますの」


「なるほどなるほど」


「ご納得頂けましたか?」


「うん。ありがとう」


「では、次元渡航を再開いたしますわ」


「よろしく」


「着きましたらギフト設定の説明を致しますわね」


「よろしく」


「では、ディメンショントラベルRe:スタートですわ!」


 こうして、私は別世界の住人になった。

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