第10話 怠惰の結果?
おやつの時間を過ぎた時刻
テストから一週間だろうか
俺と香久山さんは、京華先生に放課後生徒指導室に来るように言われた。
恐らく成績表が届く頃合いだろう。それについての話だろう。
褒美自体はいらないのだが、少しこのニコニコ女の成績が気になるものである。
「香久山さん、そろそろ行こうか」
「うん。お眠りさんの成績を開示しに行きますか~」
「自信の方はいかがですかな~?」
「無いな。最後の教科なんて半分しか埋まらなかったからな」
「あらら~。これはこれはご愁傷様です」
ニコニコしているせいでかわ、違う。無駄に煽り性能が高いというべきか
「それでは対決と行きましょう」
~~ ~~~ ~~ ~~~
「わざわざ来てくれて感謝する。さっそくだが、本題に入らせてもらう」
「これが前回お前たちが受けくれた模試の成績表だ」
二枚の紙がファイルから取り出され、それを俺たちは一枚ずつ貰った。
成績表というより、送られてきたデータをプリントアウトしたものだろう。
~
片瀬 秋(カタセ アキ)
総合 402/500
国語 31/100
英語 71/100
数学 100/100
物理 100/100
化学 100/100
~
悪いと言えば悪いが、あの極限状態でよく戦ったと思う。
二年の始めということで、物理化学は基礎が少し発展したもので比較的優しいものだが、満点が三つというのは嬉しいものだ。誇っちゃうぞ、まったく。
「香久山さんはどうだった?」
「まあまあの出来だよ。お互いの見せ合いっこしよっか」
「うん」
そう言い、香久山さんから受け取った。
~
香久山 恵 (カグヤマ ケイ)
総合 402/500
国語 80/100
英語 88/100
数学 88/100
物理 75/100
化学 73/100
~
流石だな。頭がいいと自負していただけはある。
全体的に勉強が出来る。エリートタイプだな。
可愛い上に、勉強の才能まであるとは恐れ入ったぞ。
「凄いな」
そう言い、香久山さんの方を見ると何故か唖然と紙を見つめていた。
「なんで、」
「ねえなんで?」
少し目に涙を浮かべ、強い口調で問いかけてきた。
「何がだよ。香久山さんの方が点数高いだろ?」
「君の勝ちだよ」
「そうじゃないの。なんであんな眠っててこんな点数取れるの?」
「ねぇなんで?」
いつもの笑顔は無く、少し悲しく怒っている様な表情だった。
テストの点がどうこうというよりかは、態度問題らしい。
怠惰が映し出された姿で高得点を叩き出したのだから
真面目に受けた人にとっては屈辱的だろう。
自分の行いが招いた結果なので、特に言い訳は無い。
「はぁ、そういうことか」
「香久山すまなかった、今回のことは許してやってくれ」
先生が少し呆れた表情で見つめてきた。
「今回私の方へ何も報告が来なかったのはどういうことだ片瀬」
「君は寝たのかい?あれだけ言って寝たと言うのか」
あぁ、説教だ。なんでだ。頑張ったはずだろ、過去の俺。
怒られるならお前だろ。理不尽極まりないぞ、まったく。
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