第9話 テスト

午前も終わり正午


昼休み。


「次の時間からはテストだね。私しっかりべんきょうしてきたんだ~」


ニコニコ顔で忘れていたことを思い出させるまさに鬼畜だ。


「そうだな。流石優等生だな」

成績自体は知らないが、頭悪そうには見えないしな。思ったままのことを口にした。


「でしょ?」


ニコニコ


あと少しでテストが始まる。

それも理不尽に、急遽決まったテストが始まる

後ろの良い子ちゃんはさておき、普通の人なら急遽決まったテストは嫌だろう。

普通の人なら焦って勉強したり、緊張するかもしれないが俺は違う。

みんなと違って俺かっこいいなんて考えじゃない。

ちゃんとした理由があるのだ。

夜中はいつも通り過ごした。

ゲーム、漫画、アニメ、映画。

この素晴らしき神器たちと共に過ごしたおかげで一睡もできなかったのである。

さらに追い打ちをかけるように午前の授業はL.H.Rと京華先生の授業であり

起きているしか、生きる道はなかったのである。


「ねぇ、片瀬君ちゃんと聞いてる?」


「ん?悪い、なんか言ったか?」


「だから、はやく行こうって言ってるじゃん。もおぉ~」

なんだこの可愛い生物は、頬をつつきたくなるぞ、まったく。


「そうだな。行こう、香久山さん」


「うんっ」ニコニコ


癒される。守りたいその笑顔。守らせてくれ。

あぁ、神よ。片瀬秋は癒されました。感謝します。


これなら何とかなると思った秋は、少しやる気を手に入れた。


~~


そんなことはなかった。

いくら笑顔に癒されても、身体の疲れには勝てないらしい。

全ての時間寝ると、必ず京華先生に連絡が行く。

最低限の時間で、解き、そして幸せに寝る。

これが秋の脳みそで作られた最高の案だった。


手と頭を一気に使い、気絶するように寝る。

そして生存本能からなのか一定の時間で目が覚める。

それを繰り返す。


旗から見ると、変人にしか見えないだろう。


~~


秋は戦い切った。テスト時間約4時間 睡眠時間約2時間

長い戦いだった。まったく。


「片瀬君お疲れ!帰ろっか」ニコニコ


「ああ、お疲れです。そうしよう」


あぁ癒される。もう一度礼を言うぞ神様。






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