第8話 帰り道

 昼過ぎ


一学期の授業初日ということで昼帰りだった。

京華ちゃん先生の命令により、しばらくは下校時一緒に帰るように言われた。

横暴だな、まったく。


「なんか色々とごめんね~」

「昨日は車で送り迎えしてもらってたから、道がわかんないの」


「大丈夫だよ、香久山さん」

「そこまで距離は無いみたいだし」


「本当?ありがとね、片瀬君」


あぁ、この笑顔は反則だな。

通り道じゃなければ即断ってただろうな。


「ねぇ、片瀬君。勝負のことなんだけど、。」

「私が勝ったら、一つ頼みごとをしてもいい?」


「構わないが、無理のない範囲で頼む」

「まぁ自慢じゃないが、俺は結構勉強ができる方だと思うぞ」


秋は学年で常に上位10番台をキープしている。


「いいよ。じゃあ勝負だね」

「なら負けた方が、ペナルティだね」


「そうしよう。」


そんな会話をしているうちに、香久山さんの家に着いた。

見覚えのある一軒家だった。


「ここでいいよ。今日はありがとね~。また明日」


「おう。またな」


変な偶然ってあるものだな。

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