第6話 詰み

午前中


お昼休みまであと少しだ。

耐えろ、おれ。耐えてくれ、カラダ。

あの人の授業だけは寝れないんだ。

昨日の今日で怒られるわけにはいかない。

くそ、こんなことなら夜は寝るべきだった。


  ツンツン


「なに?おれ忙しいぞ」

 

「なんでこの時間だけはねないの?さっきまでぐぅぐぅねてたでしょ」

「まさか。柊先生のこと好きなの?」

「ねぇねぇ、白状しなさいよ~」


でた、ニヤニヤ女。

そのノリうぜぇぞ。まぁ可愛いから許すけど。


「香久山さんはあの人のことを知らないからそんなこと言えるんだ」

「いいか、よく聞け。あれは絶世の美女に化けた魔女だ」

「あの魔女は外面は良いが、中身が終わってるぞ」


あれ、寒い。

あれ、手が震え出したぞ。

これは人間の本のu..


「おい片瀬。お前まだ私のこと魔女と呼んでいたのか?」


あれぇ、やばいなこれは。


「いや、これはその、えぇっと」


「またペナルティの追加だな。まったく」

「香久山さん。君もペナルティだ。私語は感心しないな」

「君たちは昼休みに職員室集合だ。昼ごはんを食べてから一緒にくること」

「片瀬、先に言っておくが拒否権はないからな」


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