第7話 覚悟

俺たちは今日の成果を持って拠点へ帰った。今日はお通夜みたいな空気だ。これはまずい。なんとかして士気を取り戻さないと。

「今日たくさん人が死んだ。」

俺が声を上げると皆が俺の方を見る。

「お前達は今日までいくら弱肉強食の世界といっても殺す覚悟も殺される覚悟も持たずに生きてきた。今日あいつらの代わりにここにいる誰が死んでもおかしくなかったと自分自身が一番よくわかってるはずだ。お前達は弱い。まずこれを自覚しろ。生きたいなら生きる努力をしろ。強くなれ。辛い奴は元の街の人からはゴミのように見られ、貧民街の大人からいいようにされる未来を選べばいい。」

俺はそういうと睡眠に入った。


次の日、俺は起きていつものように修行しようと外に出るとマッシュを中心に全員が待っていた。

「俺たちも強くしてくれ」

マッシュの元舎弟は覚悟を決めた顔で俺を見る。

「全員、死ぬ思いをするけど頑張れよ」

俺はそう言って修行を開始した。


午前の修行が終わってみんなが疲れ果てているので午後からは拠点の強化をすることにした。簡易ベットにテーブルを作り、バリケードや落とし穴を作った。俺は次にすることを考える。やっぱりしばらくはメンバーを集めるのが最優先だろうと考え、明日から街に行くことにした。


次の日、俺はエマとカルロスを連れて拠点を出た。留守はマッシュに任せた。1ヶ月近く戻らない予定だが、きちんと修行をしておくように言って街へ向かった。道中、2人に魔法について詳しく教えた。


魔法には火、水、風、土、光、闇の六属性がある。魔法のランクは一級から始まり十級まである。普通の魔法使いは三級魔法までしか使えない。優秀な人で五級だ。宮廷魔法師もみんな五級以上で、首席魔法師に至っては七級まで使える。八級は大陸に数人いる程度で、九級は大陸史に出てくる偉人クラス、十級に至っては伝説とされてる。

ちなみに俺は三級魔法まで使える。だから俗に三級魔法師と呼ばれる。

まだ2人は一級も満足に使えない。俺は2人に最低でも四級になって欲しい。




俺たちは街に着いたらすぐに貧民街に向かった。

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