第6話 宵の暁

3ヶ月のしごき終えた俺は7人を集めた。

「これから俺たちは本格的に活動を開始する。」

「活動って何するんです、兄貴」

「まぁ、そう焦るなマッシュ。俺の目標は王国最大の闇ギルドを作ることだ。そのための活動を始める。まず、手始めに街を出て盗賊になるぞ。」

「なんで盗賊なんかするんですか、ボス。直接闇ギルドを乗っ取った方が早いですよ」

「乗っ取った闇ギルドは所詮負けた弱いギルドだ。盗賊をすると言っても武器や馬、魔道具とかに獲物を絞る。」

そして俺はいくつかの質問に答えた後、俺たちの名前を発表した。

「俺たちはこれから〝宵の暁〟だ。悪の世界に生きながらも俺たちにとって悪が唯一成り上がる希望の夜明けという意味だ。」


俺たちは総勢50人で街を出た。予想外だったのはかつての7人の舎弟の中で自主的についてくる奴が多かったということだ。これから死が常に隣り合わせだと説明しても俺たちについてくるらしい。理由は俺たちに憧れてるからだそうだ。確かに俺たちはこの3ヶ月で街から盗みをしまくった貧民街の英雄だしな


俺たちは4台の馬車と20頭の馬を奪って街を出た。今頃衛兵達が追いかけようとしているだろう。しかし、慎重な俺は馬の飲水に毒を入れてきたから馬は使えないはずだ。俺たちは小さくなる街を見ながら東へと進んだ。


馬を走らせること1週間、俺達は街道から脇道にそれて森の中を進んだ。森を散策し、大きな洞窟を見つけそこに拠点をにすることにした。手下達に洞窟の奥の探索、木や竹のバリケードを作らせてた。夜はみんなでどんちゃん騒ぎをした。



次の日、俺たちは早速街道で張り込みをした。ちょうどいい20人規模の商団がやってきた。俺が笛を吹くと馬車の先に木を倒した木道の両側に手下を配置して、少し遠いところから弓や魔法使いを並ばせた。

「大人しく荷を置いて出てこい。命だけは助けてやる」

俺の警告を無視して十人の護衛が動き出す。

あっという間に10人ほどやられたか、あの7人はいい勝負をしている。俺は腰から剣を抜き護衛に身体強化を使い迫った。護衛が防ぐ前に俺は右下から切り上げ、蹴飛ばした。時折り弓と魔法も飛んでくるが当たらない。3ヶ月では無理があったのだろう。俺と7人の活躍で全員始末できたが、こちらも20人ほどやられてしまった。生き残った奴らも強くないと生き残れないと実感しただろう。積荷は食料に剣と鎧が60セットあった。なかなかの収穫だ。





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