都会のトム&ソーヤ 《四重奏》

刊行日:2006年04月25日


今晩も始まりました「はやみねかおる、全部読む」のお時間です。


今日は第4巻。前作で「もはやゲームあんまり関係ないな!」となった本作品ですが、主人公二人のバディモノミステリとして捉えると、これからどう発展させていくのかが、とても気になります。


□小ネタ

・最初の謎のイントロはおそらく「大脱走」のOPかな??と思ってググってみたんですが、どこの部分かは難しくてわからないですね……


・前半部分の章タイトルは全部映画ネタ。はやみね先生、他の作品でもそうですが、年代とか関係なく自分の推しを躊躇なく投入してきます。


・映画研究会は8ミリフィルム。出版された2006年はすでにDVテープ全盛期だったはずなので、かなり時代遅れで趣味性の高い感じ。(未だにフィルムにこだわる写真愛好家もいますのでここは好き好きですね)


・真田女史、便利すぎる。何者??


・マラソン大会をどう抜け出すか?という展開。今回は大きな陰謀とかそういうのを抜きにして、日常を舞台にした小さな冒険(とミステリ)にまとまった感じがします。こういうのも良いんですよぉ……(にっこり)


・突然の幽霊屋敷編。これトリックがありそうな気がしますね。


・使い切りカメラ。今でも売ってますが、懐かしい響きです。


・クモが不規則な巣を作るのはコーヒーを飲んだ時(クモはカフェインで酔っ払う)なんですが、その他にも原因がありそう?電磁波とか?


・機械に強いZさん、QさんがウルトラQなら、こっちはマシンガーZ?


・『13号独房の問題』はジャック・フットレルの短編だそうです。


・お婆ちゃんがどんどん超人になっていく……


・クモ、結局カフェインでした。持ち込まれたコーヒーを舐めたんですかね。蜘蛛が摂取しないとこうはならないので、解釈が中々難しい描写です。


・てか、赤外線センサのことを見破るお婆ちゃん、マジで何者なの……森にあるの??


・使い切りカメラのフラッシュが活用されていますね。使い捨てカメラ、フラッシュをONにして手で叩くと光ったりするんですよね。なつかしいな……。あれで感電する遊びもあったんですが(野蛮!)私はやったことないのでちょっと分かりません。


・事件を解決してからのどんでん返し、仲間の予想外の正体は驚きますね。こういう驚きで毎回攻めてくるから楽しいです。


・窃盗団を捕まえたものの、結局妖精の正体は謎!というオチ。まあ、こんなぼんやりしたオチでもいいですよね。(幽霊が出てきたり、宇宙人がでてきたりするミステリだって普通にあるので!)


□総評

今回は、小さな日常のミステリ(というか、先生を出し抜く話)の話と、お化け屋敷ものの二本立てになっています。


前半は児童文学って感じで学校という小さな場所が舞台になりますが、後半は打って変わって謎のお化け屋敷を探検するという作品に。


今作の犯人は普通に殺意溢れていてるんですよね。(それでも最初は部屋に閉じ込めるだけみたいな感じで、穏便に済ませてくれる感じでしたが!)


シリーズを追っていくとだんだんキャラが固まってくるのはどの作品でもそうなんですが、このシリーズ四巻にして、お婆ちゃんの超人っぷりが半端ないレベルにまでなってきました。これ絶対伝説の傭兵とかじゃないの……!

あと、創也君のポンコツっぷりもかなり上がってきましたね。なによりも拓也さんの無敵っぷりがだんだん人外になってきた感じですが……。


さて、なにはともあれ、次回に進みましょう。次回はなんと上下巻二冊の分冊です!

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