都会のトム&ソーヤ③ いつになったら作戦終了?

刊行日:2005年04月09日


さて、今晩も始まりました「はやみねかおる、全部読む。」のお時間です。


今日は、都会のトム&ソーヤの3巻ですね。前巻の一巻二巻で「ゲームクリエーターとの推理ゲーム対決」みたいな構図を描いてくれたので、今回どうなるかと言う部分が気になります。それでは早速読んでいきましょう。


□小ネタ

・お婆ちゃんは何者なのか!?作者からも名指しで謎扱いされてて笑います。お婆ちゃんがおかしいことに関しては作者も自覚してたですね!


・壇呂作「迷える人」は、ロダンの「考える人」のパロディですね。


・森田芳光監督の『家族ゲーム』、未視聴なのでネタが解りません。今度見ようかな……。


・前半は誘拐モノ……と見せかけておいて、撮影だったというネタでした。


・ボクサーの矢吹さん。あしたのジョーの矢吹ジョーが元ネタですね。


・学校に事件爆弾。街の小さなミステリとみせかけておいて、デカイ話もやるんだと驚きました。大事件やんけ~~~!


・プランナなる謎の集団が出てきました。えっ?ゲームクリエータ対決とかはしなくなったの?


・「おばあちゃんにいわれたとおりにして、何度も、危険な場所から無事に生きて帰っている」内人君、ぜったい平凡じゃないだろそれは!


・液体窒素で冷やすと電流が流れなくなる。というのは物理法則的にありえるのでしょうか。電流は基本的に温度が下がったほうが抵抗が少なくなって流れやすくなるので……(爆弾を冷やすのは、化学物質の反応に必要な温度以下にすることで反応を抑制するみたいな話だったはず)

まあ、作中でも「その知識は古い」と言われているので、そうなんだと思います。


・栗井英太チームが協力してくれるの、良い展開です。やっぱ、ライバルが協力してくれる展開、たまらないですね!!もっと頼む!


・「野犬に襲われたらどうする?」もうお婆ちゃんNINJAの末裔とかじゃないんですか??これ??


・見えない人、のトリックは良いですね。コウモリのように振る舞う……ことで、怪しまれずに潜伏する。横溝正史の「女王蜂」でも出てきたネタですが、今回、鮮やかに決めてくれます。


・サッカーボールを持った探偵。やっぱコナンくんを意識しているんでしょうね。子どもの探偵ものとしてはどうしても出てきてしまうんでしょうね……。


・竜王グループ、黒背広がコスチュームであることが発覚し、カイジの帝愛グループっぽくなってきました。


□総評

前作で、栗井英太チームとの因縁!を描いておきながら、今作ではいきなり学校に爆弾が仕掛けられたとか、プランナなど、一気にスケールが拡大していきます。前半の誘拐モノはほのぼのしていたオチでしたが……。

こんなスケールをでかくしていいのか?と思いきや、それなりにまとまっているのはさすがの手腕です。


ゲーム設定ですが、今作においてはほとんど意味をなさなくなっているのが気になります。やっぱ「犯罪という名のゲームを一緒に遊びましょうよおおおお!」みたいな悪役ゲームマスターが出てきて「ゲームクリエーターとして黙っちゃいられねぇぜ!」みたいな感じでお話が進んでいくと、ゲームと絡めさせやすい部分もあるとは思うんですが、そういう展開いいのかよ!と言われるとちょっと困ります。


さて、ということで、三巻を読み終わりました。次回もお楽しみに!

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