都会のトム&ソーヤ② 乱! RUN! ラン! 

刊行日:2004年07月17日


今晩も始まりました、「はやみねかおる、全部読む。」今日は都会のトム&ソーヤの二巻目、乱! RUN! ラン!です!では、前置きはともかく早速、小ネタを拾いつつ読んでいくことにしましょう!


□小ネタ

・冒頭は、奥様は魔女ネタ、多分わからんですね。


・前巻のレビューでも書きましたが、はやみね先生自体がそれほどゲームに詳しくない感じが出ている所がちらほらありますね。というか、内人君のサバイバル技術が強すぎてこちらがフォーカスされてしまう所も……


・どうでもいいですが、内藤内人っての、ジョジョっぽいネーミングですよね。ナイナイって呼んでやるよぉ!


・連絡網、この時代にはまだあったんですね。今では廃止された場所も多いと聞きます。


・「雨に唄えば」「4月の雨」などの名曲が紹介されています。


・人に薬を盛るな💢👊


・デパート回、魔少年BTみたいでいいですね。はやみね先生、荒木先生の漫画読んだことあるのかしら?


・ゴジラが登場して初めて「非常事態」になる婆ちゃん、やっぱARMS世界の住民では??


・バレエを踊っている女の子の絵は、ドガの『踊り子』でしょうか。


・空を飛んでいる巨大な岩の絵、はほぼ間違いなく、マグリットの『ピレネーの城』だと思われます。(それ以外に空を飛んでいる巨大な岩の絵ってある?)


・花瓶のバラの絵はわからない……知っている人いたら教えて下さい。


・首をトーンってやって気絶させる技がでましたね。


・盗難美術品の売買、真っ黒やん!


・「音楽室に肖像画がかけられているなら、理科室にアインシュタインがあってもええやろ!」には納得しました。なんで?納品する業者との関係?


・音楽室野球、発想が小学生では?とか思ったんですが、私の中学時代も、アバンストラッシュとかで殴り合ってたのでリアルかも。


・『塵劫記』江戸時代に出た数学の本ですね。


・二巻にして二人の関係がただ振り回されるだけになっていないのポイントですね。内人君も、創也君を脅迫したりする。


・屋敷に招かれる……一体どうなるのか。


・薬草の種類をお婆ちゃんに教えられた内人くん。いや、マジで何者なの?最強の傭兵にするべく英才教育を受けてたりするの?


・デスゲームだ。完全にこれデスゲームですよこれ!


・「私を捉えることができたら……」から見ると、どうも参加者に混じって一緒にいるんじゃあないかな。


・ジュール・ヴェルヌの『地底探検』がでてきました。他のシリーズでも出てきたのを考えると、はやみね先生、これが好きなんでしょうね。そのうち地底探検回がくるのでは?


・「大地を味方にしなきゃダメだよ」だから、何者なのお婆ちゃん!!!!


・暖炉のトリック、女の子の絵が気になりますね……とか思ってたらそういうことですか。


・酸素があるかどうかを確かめて行動するように教えるお婆ちゃん、だからその……何者?


・R.R.P.Gについて言及されていますね。外国などではTRPGを実際のフィールドでやるゲームがあるそうですが、そんな感じなんでしょうか。もしくはそういうムーブメントがあるとは知らずに、はやみね先生が独自で作ったのか。


・あとがきによると、音楽室野球ははやみね先生の実体験だそうです。ってマジだったんかい!!!!?


□総評

ミステリ作家に「ゲームを題材にした児童向け小説を書いてください!」ってお願いしたら、デスゲームが出力された。


読み終えた瞬間、まずそう思いました。


いや、ゲームってそっち????


とはいえ、この方向に落ち着いたのは結果的に良かったのだと思います。

「そもそもゲームが面白いとはなにか」「どういう面白さがあるのか」などを追求していく過程を小説にしていくこともできるとは思うんですが、児童向け小説でそれをやるのは本当に難しい……。


例えば創也君が「無類のゲーム好きで、どんなゲームもクリアする」とかの設定だったら、お話を作るのも楽だとは思うんですよ。「ゲーム大会が開催されるんだって?いくぞ!」みたいな感じですぐに動機が作れますし。(ゲームセンターあらしになりってしまいますが)

でも今作は「究極のゲームを作る」ことが目的なので、ちょっと工夫が必要なんですよね。「最強のゲームを作るために」「栗井栄太の謎に迫る!」みたいな感じで、目的地に行った所、TRPGみたいな謎解きゲームに巻き込まれる……という動機づけが必要になります。

でも、その結果、今回はなんだかんだで、「ゲーム」と作者の大得意なミステリの要素がうまく噛み合ってくれた感じ。


このまま「ミステリゲームを仕掛ける栗井側」「それに挑戦する主人公コンビ」で回していけば、いろんな構図で楽しめそうですしね。(それに人が死なない連続殺人事件も描ける!)


とまあ、このまま行ったら将来的に創也君が「犯罪、それこそが究極のゲームなのだ!」とかいい出して暗躍する悪役キャラになりそうな気もしてきました。てか、財閥の御曹司で、インテリの毒舌眼鏡って絶対そうなりそうな予感しかしないな……内人君!そうなったときはちゃんと事前に止めるんだぞ!!!


ということで、ゲーム展開からデスゲームにつなげる発想で、シリーズの方向性をしっかりと固めてきた今作。今から次巻が楽しみですね。それでは、次回をお楽しみに!

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