第8話 思案
左近が帰ってきた。三成はその知らせを受けすぐに書院に来るようと小姓に命じた。聚楽第や最上での話を聞かねばと思いながらい左近のいない間の事を考えていた。秀吉は駒姫も謀反の一味として始末しようとしているなぜそのような考えになったのかが分からない。自分と話した時は最上に返す事を納得してし、その方向で話を進めていたのに誰が余計な事を言ったのか。奉行のものではない。そんな勝手な事はさせない。では五大老か?これもない。そんな考えに同調するようなものはいない。わざわざ悪評を被るような事はしないだろう。おね様が説得に向かったが口論になって耳を貸さなかったらしい・・・。では側室の誰かが・・・。淀君 茶々様かと思った。2度の落城を経験し、秀吉によって家族を殺された彼女が厳しく当たれと言ったのかもしれない。可能性がある。茶々様と話した方がいいい。どこまで知っていてそういう話をしたのかが分からいが自身の安全と息子の為ならその考えは危うい。
「殿、左近でございます」
左近が来たようだ。入れと声を掛けながら座るのを待つ。
「左近、どうであった」
左近は聚楽第での話、最上での話、今出川で朝廷に働きかけてもらえないかと頼んだ事を話してきた。
「つまり、駒姫の為に某に腹を切れといいたいのか。覚悟を決めて動けと」
そういうと左近は頷いた。分かっていた。そうでもしないと今の秀吉には自分の声が届かい事は。しかし、それで済むだろうか。いない間の事を話した。
「ならばなおさらご覚悟を。そうせねば、豊臣家は政の信頼をうしないますぞ。ただでさえ朝鮮の件で足元がぐらついているのに。恩賞など出せますまい。無意味な戦である事はお分かりでしょう」
そう詰め寄ってくる左近を宥めつつ思った。どうせ失敗しり戦っている者達には悪いがこれは意味がないただこの国が豊臣家が疲弊してりくだけ。自分止めれななかった・・・。そして徳川は無傷で笑っている。
「茶々様に話す。駒姫の件は聚楽第の件は彼女を説得して太閤様を動かす方がいい」
複雑そうな表情をしている左近がおかしかった。自分も同じだろう。同時に悲しくなった。太閤様は老いた。しょせんは一代限りの栄光か・・・。お拾様が元服される頃には時勢は傾いているだろう・・・。もしかしたら一代大名になっているかもしれない。
「良き思案かと。ですが、北政所様はよろしいのですか」
北政所様を蔑ろにする行為ではないのかと問うてきた。先におね様に会い茶々様に会う許可をもらう。正室に挨拶をしてから側室に会うだからおかしな話ではない。
「左近、お前は五大老の方々に駒姫を話し、助命を乞う手伝いを頼め。その際、自分は姫が死罪になるのなら代わりに腹を切るつもりであると言え」
「それは徳川にでもですか」
「そうだ」
徳川につけいる隙を与えるのではと言ってきたが、徳川を外すほうが隙を与える。これでいい。自分は太閤様亡き後の豊臣家を守る覚悟を決めなければ。これから荒れる豊臣家は守る為に・・・・。
2、3日して最上義光が訪ねてきた。駒姫の死罪が決まりつつあるところに左近が来て三成の意図を知ったからこそ来るきになったのだ。
三成と左近、義光と重臣の4名で話し合った。淀を通じて駒姫を救う事。それでだめなら三成が代わりに腹を切る事を太閤に言い姫を助ける事等を話した。今は時間を稼ぐ必要がある為、五大老を動かし、秀吉の目を聚楽第から話す必要がある。既に聚楽第は脅威ではない、今後の脅威は五大老であると秀吉が思っている為、彼らが動けば利用価値が出てきてすぐに処罰を下す事はなくなるその隙をついて動かなければいけないと・・・。
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