第8話「同じ屋根の下に全裸美少女がいる」
どうしてだろうか。
この高揚感と背徳感。さ
っきも言ったかもしれないけれど、女子から大人気でみんなの憧れでもある我らが高校の、我らが生徒会の長。
伊丹真礼先輩のの部屋で一夜過ごせるなんて。
今までの一年間。
この高校に入るまでに、よく俺の家に来てもらったり一緒に図書館に行ったりしてマンツーマンで指導してもらったことはあったが先輩の家に入ったことは一度もない。
参考書を貰いに行く時に立ち寄ったくらいでこんな風に中まで入ることなんてなかったし――なんてったって今日はお泊りできる。
なんて言ったらいいのか。
別に付き合ってもない男女が同じ屋根の下で一夜を共にする。
言わば、これはもう——初夜だ。
俺たちカップルになったといっても過言は————あるけど、それでも一夜だけだったとしても嬉しすぎる。
え、なんで急にそんなにテンションが高いかって?
それはなぜなら、俺が先輩の家のシャワーを借りているのだから!!
いやはや、先輩の家のお風呂。ちゃんと湯船も満タンになっていて、いい匂いがするんだろうなと思っていた――
——のだがそう言うわけはなく。
あんな風に言った先輩は慌ててお風呂を溜めて、汚いから待ってと赤面でガザがさと掃除をし始めた。
うん、今まで持っていた女子への偏見は本当に女子への偏見、幻想ってやつなのかもしれない。
と言っても、こう見ると本当に普通だった。
女子だから高いシャンプーに高いボディソープ、高くいい匂いがするリンスにヘアオイル的なのもあって、あわあわするためのピンク色の肌触り良しなタオルに身を包んで、アロマを焚いて優雅にお風呂に入るのかな~~なんて思っていたが実際のところはそう言うわけではなかったのだ。
湯船は普通に真っ白だし、シャワーだって白くて、全部真っ白な統一感。
あぁ、これはあれだよ、あぁいうやつじゃないからね?
先輩は白い牛乳が好きなだけだしね、あ、牛乳って白かったか。
胸を大きくするために頑張る先輩も先輩で最恐に可愛いけど。
って話がずれた。
とにかく、先輩のお風呂は普通だった。
俺でも見たことがある普通のシャンプーとリンスに、俺も使ってる格安のボディソープだった。
正直、こんなトータル600円以下のものであそこまでの清潔感と匂い、凄まじい美しさオーラを出していると考えるとやっぱり人ではない何かを感じる。
彼女が完璧と言われる所以はまさにこう言うことだろうな。
「ふぅ……」
そんなところで体を洗い終えた俺は先輩の湯船につかり、悶々としそうになったところすぐに冷水を浴びて風呂場から出ることにした。
女の子の家でお風呂に入るとというドキドキ体験を終えた俺は念入りに体を拭いて先輩が用意してくれたお父さんのジャージに着替えていく。
ずっとここに置いてあるのか、それとも長らくお父さんが着ていなかったのかすっかりジャージには先輩から発せられる柔軟剤のいい香りがしていて頭がぼーっとしてしまった。
「いやいや、いかんいかん」
煩悩に飲み込まれつつもなんとか理性で耐え凌ぎ、リビングに顔を出した。
ちょっと、先輩のお風呂で頭おかしくなっているから落ち着こうか。
「先輩、お風呂ありがとうございました」
「うんっ。大丈夫だった?」
「大丈夫? 何がですか?」
「いや、あれ……汚くなかったかな~~って」
「別に汚くはなかったですけど……シンプルなお風呂で幻想はなくなりましたけどね、ははは」
「つ、つまらないって何よ、もう」
「アロマとか置いてなかったなって」
「おかないわよ、普通」
「え、置かないんですか?」
「当たり前でしょ……」
まん丸の綺麗な瞳が俺をジトッと睨みつける。
「ま、まぁ、そうなんですかね」
「女子はそんなものよ。それじゃ、あたしも入ってくるから」
呆れ交じりに呟くと先輩は何の躊躇いもなくお風呂に向かった。
ん、あれ、先輩もお風呂入るの……?
いや、当たり前っちゃ当たり前なんだけど。
とはいえ、ちょっと軽率すぎないか? 俺が、男が同じ部屋にいるんだぞ? 男がいるのに、同じ屋根の下で全裸になってシャワーを浴びようってのは……さすがに楽観視しすぎだ。
うん、覗こう。先輩の裸体を覗ければその危険性も分かってくれるな!
と腑に落ちて拳を片方の手のひらにポトンと落すと、脱衣所の扉が開いた。そこから先輩がひょこんと顔を出す。
「あ、カケル」
「な、なんでしょう?」
「覗いたら殺すからね、分かった?」
「……」
「返事は?」
「わ、わかりました……」
「うん、よろしい」
どうやら俺の考えは先輩にはお見通しだったようだ。
さすが先輩、生徒会メンバーの考えはお見通しってわけらしい。
にしても。
先輩、さっき首から下が全部肌色だったし、脛から下はみ出してたけど服着てなかったよね。
ほんと、抜けているところあるよな。
何度も言うけど、それが先輩の良いところでもあるし可愛いところでもあるんだけどもね。
ひとまず、今日はこうして生きて帰ってこれたわけで。実感が湧かないけど、これからもいつも通り楽しい日常を送ることにしよう。
先輩の笑顔だけは絶対に守り抜かないと。
<あとがき>
何がとは言いません。
ブラボおおおおおおおおおおお‼‼‼‼‼
読んでいただきありがとうございます。
次回、「おっぱい平手打ち」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます