第3話 展開が早すぎる件について

さて、前回無事ギル・ロールの物語が始まったはず…なんだが…

え?メタイ?いやいや今はそれどころじゃないんだって


「お願いします!ギル・ロール殿!!!!」

「いやだから展開が早すぎんだよ…」

「え?」

「あ、いやこっちの話」


そう、今頭を下げているのは俺が転生した世界の勇者殿。

名前は確か…カドール・デプレシオン…?だったはず…?横文字に弱いのでこれからは勇者と表記する。

俺前回生まれたばかりだよな…??

なんでもうギルド職員になってんの??

職員になるまでの壮絶な日々を垂れ流す話じゃねぇの????

さっきっからメタイ?仕方ないだろ、メタ入れないとやってけないんだよ


「聞いておられますか!!ギル・ロール殿!」

「え?すみません、聞いてません!

あと俺は戦闘要員では無いので行けません!!」

「何故!!!」

「だから戦闘出来ない言ってるだろうが!!!

てかなんで俺を魔王戦に連れていきたいんですか!!??」


あんた俺居なくても、ていうかあんた1人で十分だろ?!

そう、さっきっからずっとこの勇者様が頭を下げているのは何故か最終決戦という大事な戦いにただのギルド職員の俺を連れていこうとする謎

しかもこの世界の仕様なのか俺以外と1部除く者以外のステータスが巫山戯た仕様になっている…

その代わりめちゃくちゃ分かりやすくなって…

いや別に分かりやすくもねぇな


「ギル殿の…頭脳をお借りしたいのだ…」

「は?頭脳??」

「魔王戦まえのトラップで…

謎解きがあるのですが我々では解けず…入り直すと問題が変わってしまうためその場で解かねばならぬのです…!!」

「…あの、勝手にステータスみて申し訳ないんだが、

勇者殿のこうげきりょく:かみをもころす

だから壁ぶち破ったりは…」

「おぉ!さすが国1番の鑑定の使い手!

私のステータスを覗けるなんて…!!

やはりついて来ていただきたい!

恥ずかしながら私の攻撃で傷1つ付かなかったのです…」

「あ、もうやってたんだ…」


おや?と思った画面の前のあなた。

分かる。俺も何度も見直した。

直らなかった…

察しの通りだがこの世界はステータスがおかしい。

いやステータスだけじゃない。どうもこの世界、思考デバフとやらが付いているらしい

例えば勇者のステータス、

こうげきりょく:かみをもころす

ぼうぎょりょく:だいやよりかたい

せいめいりょく:はーといっぱい

しゅんびんりょく:すっごいはやいよ!

まりょく:いっぱい!

最後の方考えるのやめただろって感じのステータス

これが世界の普通だ。

俺はこんなゆるゆるなステータスではなく、ちゃんと数字だ。

いやどうして…神様俺こんなの聞いてないしなんなら説明書にすら書いてなかったよ…

そしてもう一つ、思考デバフ、それは…


「ちなみに謎解きは?」

「数字で…国の学者が言うには二次関数…?というものらしく…

どうも最近魔王が設置したらしく…」

「…あぁー…」


ある年代から異様に知能数が落ちているという…

てか普通に二次関数は難しいな?

これ作ったの絶対転生者だろ…いや魔王が、か?


「いやでも俺は…」

「行けばいいじゃねぇか

お前聖騎士の息子だろ、扱かれてんの知ってんぞ」

「ギルマスゥゥゥゥ!!」


裏切り者!!裏切り者じゃ!!クソ、なんでいきなりギルマスは口出しするんだ!!

てか絶対幼少期の話しやってからこの話やるやつ!!

画面の前の皆さんポカーンだろ!!

俺知ってる!!

とりあえず、回想に入ろう…







―――――――――――――――――――――――

転生した俺、ギル・ロールはロール家の長男として生まれた。

父は聖騎士、母は踊り子。

立場が全く違うように見えるが、実はこれ一族内でのお見合い結婚。

お見合いと言っても双方一目惚れだったらしく今でも息子の俺がうんざりするぐらいのラブラブっぷり…

父さんと母さんの職業からみてわかる通り、ロール家という一族は幅広い職業についていたりする。

医者も入れば何故か義賊の頭やつもいて親戚で集まりがあるとみんなでどんちゃん騒ぎ…をしながら情報交換など抜け目ない事をやっていたりする

なんせ職の幅が広いから情報も直ぐに集まる

そして先程、ギルマスが言っていた通り聖騎士である我が父、リッター・ロールに俺は扱かれまくった


「さぁ我が息子よ!!剣の扱いさえ出来てしまえば生きていける!!

素振りあと1000回!!」

「おれ…!騎士じゃなくて、ギルド…!しょくいん希望…!なんだけどォ?!」

「例え事務仕事などであっても身を守る術は必要だ!!さぁ頑張れ頑張れ!」


なんて剣を奮った日々が懐かしい…

取ってよかった剣術スキル…

まぁこの時に父のステータスを見て世界の異常に気がついたのだが…

―――――――――――――――――――――――


「いやですよ!!

国王様に相談したらいい人材紹介してくれんじゃないんですか?!」

「紹介された先がここだな!」

「ガッデム!!

そもなんで王が一介のギルド職員の事を知ってるんだ…!!」

「聖騎士殿が息子自慢をしていたからだそうだな」

「父さん…!!あんたもか!!この裏切り者ォォ…」


ちくしょうほとんど逃げ道を塞がれたようなもんじゃないか…!!

はぁ…仕方ない…ついて行って途中で引き返せばいいか…?


「謎を解いたら俺、帰りますからね?

それでいいならついて行きます」

「おぉ!それだけでもありがたい!!」


って言ってもなぁ…俺数学苦手なんだよなぁ…

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転生した世界が色々適当すぎるんですが 無月 @aya0614

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