第弐拾玖話 錯綜! 敵が味方か新たな希亜!

 アークイド ブリッジ内

「そいつの座標は!?」

 キシベは、いつ、だれが、なぜ、どのように、と思いつつも1番必要である何処にいるかを確認する!

「敵基地から本艦を挟んだ後方の第零参弐伍0325クレーターに鎮座しています!!」

「そうか、第一混成突撃部隊は全機いるか確認して、確認でき次第基地内部に侵入するように通告しろ!格納庫内の確認もだ!それと、あの機体に通信を入れろ!応答がなかったら第二混成突撃部隊は包囲するために出撃!」

「通信回線は何度か繋げてみてますが、繋がりません!」

「そうかッ!本艦は右八点に回頭次第!第二混成突撃部隊、全機緊急発進!」

「了解しましたッ!」


 アークイド内 パイロット待機室

「第二混成突撃部隊、全機緊急発進!」

「おやおやおやぁ、またこんな急に出撃なのかい?」

「申し訳ないねぇ。」

 キシベはラペイシャスの口調を真似て、少しふざけつつ返す。

 リラックスのためなのか、それとも艦長の時と性格が変わっているのか、わからないこのふざけかたは、他のパイロットに良い影響は与えなかった。


「目標地点まで残り1km、光学レンズのズーム映像出します!」

 ジークは、支援AIであるマキアの声と共に映し出された映像で、自分が纏っている神の模造品を、認識する。

「マキア、回線を繋げさせろ。」

「やっておりますが、やはり無理ですね。」

「じゃあ、短距離通信用ワイヤーの射出するッ!」

 巨人の指先は巨神に向けられ、細いワイヤーが放たれる。

 ワイヤーは、先端に情報伝達用装置が接続されており、本来は通信が不可能な電磁防壁内での通信に使われるが、敵隊長機の鹵獲時などにも使われていた。

 ワイヤーは、月面上を滑空し、ターゲットである、ノアへと向かう。

 先端に接続された機械類は装甲の表面に接触すると、先端の機械が付近のセンサーを探し出し、そのセンサーに合った情報。もしくは先端部小型掘削機により、情報を送る。




 




 ワイヤーの先端は装甲に触れる前に、

「通信用ワイヤー!指向性空間圧縮機により発生した、敵機駆動補助用の、実体型電磁防壁により、弾かれました!」

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