第弐拾弐話 改造! 新たな力!

「本艦は、約100時間後、5月4日一四:〇〇イチヨンマルマルに、大地の女神の瞳リュシテアーズアイの対空砲の射程圏内に入る!」

 成層圏を突破し、宇宙空間に出たことで、一時的に騒がしくなったブリッジは落ち着き、キシベが作戦の開始時刻を伝える。情報を伝え終わった彼は、自室である艦長室に戻る。

「アークイドは、月航路に乗りました。」

 自室でキシベは、モニターに話しかける。

「そうか、こちらも大地の女神の瞳リュシテアーズアイ二号機とダミーバルーンの搭載したロケットを発射した。」

 レビル元帥はモニター越しに問題ない事を確認する。

「本艦は、作戦通りに100時間後大地の女神の瞳リュシテアーズアイの破壊。第十二航空隊の補給後、本艦は基地上空に陣取り戦闘を開始します。」

「そうか、こちらの目論み通り、基地の駐留艦隊が出撃し出したようだ。」

大地の女神の瞳リュシテアーズアイで敵艦隊を撃ち飛ばすのですね。」

 レビル元帥は、あぁ、と相槌を打つ。

 さまざまな作戦に関する話をしたのち、通信を切った、キシベの顔に不安の色が浮かぶものの、ブルブルっと首を横に振り、かき消す。


「これを、こうして、こうしたらどうじゃ!」

「ジジイ!わかってるじゃねえか!」

「もちろんじゃろ!わしが開発したんじゃからな!」

 格納庫では、シキシマとジークが陽気に笑いながら、端末を操作する。

「D装備もつけられるな!?ジジイ!」

「もちろんじゃ!それをつけるなら、これもつけるんじゃ!」

「なんだ、これは、、、」

「これは新開発のマガジン・ブレーカーじゃ!こいつは、パイルバンカーで突き刺した後、内部にウラン弾を打ち込めるのじゃ!」

「内部から打ち込むことによって弾かれずに、破壊できるんだな!」

「もちろんじゃ!ただし、専用のマガジンを装着するため、重くなるが、些細な問題じゃろ!」

「重くなるなら、加速力を上げればいいんじゃないか!?」

「それじゃな!足にもブースターをつけるぞ!」

 スラっとした本来の体型からかけ離れた、ノアが端末に表示される。

「いいプランじゃな!これでいいんじゃな!?」

「もちろんだ!ジジイ!」

「そうと決まったら改造じゃ!そこの!お前も手伝え!」

 シキシマはその辺を、歩いていた整備士に指差し強制的に手伝わすため、歩いていく。

 改造工事は多忙を極め、その整備員は、辞表を出そうとしたが、シキシマに気に入られ拒否されるように仕込まれていた。

 この事から整備員の中で囁かれる噂ができたが、それはのちの話であった。

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