第弐拾壱話 経始! 月面基地イゼルローン奪還作戦!

「博士からもらった、やつの使用を任せたい?」

「ああ、マキアの機能ならできるだろ?」

「任せてください!」

 ジークは彼にしか見えない、少女と会話をする。

「作戦行動開始は、5日後でしたね。任せてください!」


 8:55 太陽系連邦軍総本部内作戦通信室

「予定時刻まで、あと五分。カウント開始します。」

 作戦開始前の緊張が張り詰める中、オペレータがそっと報告する。

「ダミー射出用ロケット最終確認!」

 総指揮を取るレビルが確認を促す。

「ダミー射出用ロケット最終確認!」

 確認の指令を木霊のように復唱する副官はモニターを見つめる。

 カウントが進むモニターには、ただ時間を確認させるだけではないただならぬ雰囲気を放つ。

「射出用ロケット発射まで、残り4分!」


 同時刻 アークイド艦内

「これより本艦は、月面基地奪還に向けた作戦行動を開始する!」

 艦内通信に、キシベの声が響く。

「本艦の進路は、月軌道上に、存在する大地の女神の瞳リュシテアーズアイの破壊、その後に最終目標である月面基地の奪還へ向かう。」

 前日に説明されていた作戦の概要を、確認する。

大地の女神の瞳リュシテアーズアイの破壊はハンター少佐率いる第十二航空隊が担当。破壊後第一陣として、第一小隊、第四小隊、第六小隊は出撃後、第十二航空隊と合流して、基地攻略に移行してくれ。」


 8:57 アークイド艦内

「作戦開始時刻3分前になりました!」

 女性オペレーターは元気に報告する。

「アークイド発艦用意!作戦開始時刻になり次第、作戦行動を開始する!」



 8:59 太陽系連邦軍本部内作戦通信室

「射出用ロケット発射まで、残り1分!」

 オペレーターは静寂を何度も打ち破り続ける。

「射出用ロケット発射まで、残り30!」

 15、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1といったカウントが終わると共に爆音がモニターから響く。


 9:00 旧国連合軍月面基地観測室

「南極上空!何かが打ち上げられてきます!

「超長距離望遠カメラとレーダーで確認!」

 月面基地の指揮官である、ジョージ大将はすぐに指揮を出す。


 同時刻 アークイド艦内

「作戦開始時刻です!」

「抜錨!アークイド!発進!」

 艦長である、キシベが発進の指示を出す。

「抜錨!アークイド!発進!」

 副官のサナダが復唱する。

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