第弐拾話 危険! 三博士!

「お主、さてはどこかで、、、」

 そう言ったのは、先ほどモニターで紹介されていた、小柄で白髪の博士たちが話しかけてくる。

「そりゃ、パイロットの一覧を見たからじゃろ。」

 最初に話してきた、サオトメ博士に、対し説明したのは、ジュウゾウ博士だった。

「お主!息子ノアのパイロットなんだな!ワシはノアの兵器開発担当のシキシマじゃ!ワシのことはジジイとでも呼ぶがいい!ところで、質問じゃ!お主!何人、息子ノアで殺せたのじゃ!?」

 いきなり、自己紹介から素っ頓狂な事を聞いてきた、博士に対し、彼は記憶を巡らせる。

 その中で彼は、機械を壊す、スゥー、といった感じの快感を思い出し、身体を震えさせる。

「なんじゃ、もしかして1人も殺せてないのか?!じゃったら、これを使うが良い!」

 老人らしさを主張する話し方をしながら、博士から、光が伸び、空中に映像を流す。

「これは、ワシが設計したノア専用兵器じゃ!」

 映像の中にショットガンなどの銃器、刀剣などの近接兵装が写される。

「気になった武器おもちゃを選べ!」

 ジークはモニターを眺める。

「これはどうじゃ!?ノア専用重荷電粒子圧縮ライフルじゃ!コイツの威力は凄いぞ!」

 モニターに映し出されていた、大型で独特な形状をした銃が拡大される。

「艦艇の電磁防壁を一撃で貫通可能じゃ!」

 モニターには、ポリゴン状の艦艇を貫く動画が再生される。が、彼の視点は横のスペックに目が写る。

「おいジジイ!このライフル、連射速度が遅すぎだ!」

「威力はいいぞ!威力は、、、じゃったらこれはどうじゃ!?」

 モニターの銃は縮小され、端から細長く伸びた、刀が映し出される。

「この刀は、わしが開発した、新型兵装の粒子加速式切断刀じゃ!」

 映像に映し出されている刀身は、彼の知っている刀と違い刃先が、赤く光っている。

「理論上だけだったが、ノアの巨体による、発電力なら、使用可能になったのじゃ!」

 意気揚々と説明する、博士を遮るように

「ちょっと待ってください!エネルギー効率が酷すぎますよ!」

 と、ジークの聞き覚えのある女性の声が響く。

「おお!マキアか!」

 そう叫んだのは、後ろでサオトメ博士と話していた、ジュウゾウ博士だった。

「ジュウゾウ博士ありがとうございます!これでいつでもどこでも、パイロットのサポートができます!」

 そう言いながら彼の視界内にマキアが出てくる。

「博士のアップデートのおかげで、光学コンタクトレンズを通してどこにでも出られるようになりました!」

 そうマキアが話していると、舌打ちと共に悪態をつきながら、シキシマが話し始める。

「釣れないやつじゃのぉ。老人の出したものぐらい、受け入ればいいのにのぉ。」

 老人らしさをさらに主張して話す。

「で、どれか使ってみたいのはあるか?」

 拒否されても、懲りなく話し続ける、悪徳商人はまた別の武器を紹介し続ける。

 しかし欠陥品を装った、良品は存在し、彼はそれと巡り合う。

「ジジイ!これはいいな!気に入った。これを使ってやるよ!」

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