第拾玖話 驚愕! サブロウ少佐参上!

 ミーティングルームは、本来静かなはずであったが、今日は違った。

 ハンター・S・サブロウが次回の作戦の為、本艦に転属してくると、話題になっていた。


 ハンター・S・サブロウ少佐

 空上戦闘艇パイロットの1人者であり、軍に憧れる、少年少女の憧れの的になっている。

 数々の栄光を持ちつつも、表舞台に一切出ない、謎に包まれた、正体は子供達の話題だけではなく、軍に所属するもの達のものでもあった。


 キシベが、自動ドアから入ってくる。

「さて、まずこの艦の今後の作戦なんだが、この艦は独立艦隊として単独で任務を遂行する。」

 話始める前とは違ったざわつきが起きる。

「本艦は、これより月面基地、制圧もしくは破壊、を目標とした作戦を実行する。」

 既にあったざわつきは勢いを増す。

「作戦概要の前に、この艦に転属してくる部隊の紹介する。」

 ざわつきは、あとを残さず収まる。

「入ってきてくれ。」

 全員がドアを見つめる。

 自動ドアは開くも、誰も入ってこない。


 カチャ


 カチャ


 機械の歩行音が響く。


 シュー


 金属が少し擦れるような音と共に、衝撃が広がる。

 衝撃とともに全員は、彼がなぜ、表舞台に出ないかを悟る。


「本日から、本艦に転属してきたハンター・S・サブロウ少佐です。」

 経歴からは想像できないほど、丁寧に自己紹介したのは、だった。

 は紳士のように、挨拶すると、地面に戻る。

「彼の率いる。第十三航空隊もこちらに編入させられる。」

 驚きを一蹴させるようにキシベの声が響く。

「では、これから月面基地制圧作戦の概要を話す。」

 驚きはもう感じない。 

「本作戦では、事前工作として月面軌道上に、一個艦隊のダミーを設置。ダミー内には大地の女神の瞳リュシテアーズアイと同型の兵器を、設置させており、相打ちになる様になっている。月面基地にダメージを与えつつ、我々は月面の裏側から回り込むように、近づき大地の女神の瞳リュシテアーズアイを破壊後すぐさま、月面基地を制圧する、電撃作戦を展開する。」

 作戦は問題無さそうな雰囲気を醸し出すが、期待と不安が入り混じった空気が漂う。

「現在の予定としては、大地の女神の瞳リュシテアーズアイの破壊をサブロウ少佐率いる第十二航空隊。破壊した後、本艦は月面基地上空に鎮座、制圧隊である、駆動装甲隊と戦闘艇部隊が展開。制圧隊は内部に存在していると思われる地下空洞に侵入。制圧してくれ。本作戦では、柔軟に対応してもらう必要があるため、ノア隊にはN装備を基本とするが必要に応じて換装してくれ。また、本作戦において、突入隊は、二部隊に分け実行する。」

 またしても、少しのざわつきが起きた。

「まず、第一陣として、キーファー・C・イングラムの第一小隊。ロバート・J・リーの第四小隊。ビリー・C・ロビンソンの第六小隊。そして、大地の女神の瞳リュシテアーズアイの破壊後にそのまま合流するハンター・S・サブロウ率いる第十三航空隊を含めた、第一混成突撃部隊として突撃。第一混成突撃部隊の情報を受け、簡易的な突撃用の作戦を考案後、第二陣として、ST・ブランドン・ナウアートの第二小隊。ブラッドフォード・ジャック・ファヴローの第三小隊。などの第一陣で待機していた部隊を含めた第二混成突撃部隊を出撃させる。」

 モニターに顔が映し出されながら、説明される。

「また、ノアの開発補佐官である、シキシマ博士とサオトメ博士それに、ジュウゾウ博士の3人が本艦に搭乗することになった。ノアに対して、改良したい部分があるなら彼らにたのんでくれ。」

 その他の細かい話の後に解散させられ、各々が自室かトレーニング室、娯楽室などに向かう。

 彼、もといジークは自室に向かう。

 通路を通っていくと、曲がり角で、談笑と共に三人の白衣の老人がちょうど曲がってくる。

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