第拾漆話 月光! それは破壊の光!

オペレーターが確認できた情報を、次々と報告する。

「磁気嵐、収まりました。」

「敵艦、確認できたのは、3隻!」

「敵艦、撤退していきます!」

「艦長追撃しますか?!」

「いや、少し待て。それよりもどこに向かっていると思われるのか?」

「方角的に、現在第一艦隊が攻撃を仕掛けている。イギリス地区本部ノースウッド司令部と思われます。」

「そうか、では…」

「司令部から入電!月軌道上から、高エネルギー確認!」

「どういうことだ!」

叫ぶと共に副艦長が思わず立ち上がる。

爆音以外の音がない、少しの沈黙の後、オペレーターが叫ぶ!

「司令部の情報によると、大地の女神の瞳リュシテアーズアイからの砲撃だと思われます!」

「目標は何がわかるか?!」

「対超高高度用レーダーを参照するあたり、詳しくはわかりませんが、この艦隊では無いようです!」

「そうか、撤退する敵艦隊を砲撃しつつ、基地上空に到達次第全艦着艦開始!着艦後は、制圧部隊を送り込め!」


艦長代理を務めるルークの目には、輝きがなだれ込む。


ピギュ グシャア


形容し難い音と共に、脳に死を予感させた、輝きは散開し遅れた、クイーンエリザベスが、膨大にも思える一瞬のうちに、消え去るのを、認識する。


戦艦にぶつかり、広がり始めた、輝きは、弾を通すことのないはずの装甲をもつ、周りの艦を、飲み込み、さらに、広がる。

資料でしか見たことのないビックバンのような、過去の対戦で落とされた核爆弾の破壊のような、輝きは、顔も見たことのない同士を、認識させる前に消しとばす。

比喩ではなく、文字通りけしとばす。

輝きは、彼の乗る鑑のドレッドノートを覆う前に、止まり、その後に、破壊をしない、輝きを広げる。

艦内に衝撃を表す、爆音が響くのと同時に、洋上艦なら転覆するほどの振動が広がる。

「…答せよ!応答せよ!ドレッドノートは無事か?!返事をしろ!」

彼の装着している、通信機器からグラハムの声が響くことに気がつく。

「通信機越しだからってそんなに叫ぶな。グラハム。」

「そっちは大丈夫そうか?」

「ブリッジには、目立った損傷はない。超距離航行が可能なら、地上部隊を収容し、司令部へと撤退する!」

「そうか、では地上部隊の撤退を支援する!」

ゴンッと言う音と共に回線が途切れる。

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