第拾陸話 炸裂! 荷電粒子圧縮砲の威力!
圧縮粒子砲
太陽系連邦、旧国連合の両組織で使用される兵器群。
粒子圧縮機により、圧縮した大気もしくはエーテル(以後粒子)は基本的に安定しているのだが、特殊な方法で、暴発する粒子が圧縮可能になっている。
圧縮粒子砲の構造としては、暴発する粒子を、安定した粒子で包み込み、電磁波の反発力で射出する。
射出された粒子は、着弾時に先端が尖ったような形となり、装甲等の内側に入り込み、装甲内に暴発する粒子を流し込み、装甲内で爆発するようになっており、破壊力が、従来の実体弾より向上している。
ただし、重大な欠点として、大気圏ないでは、包む様の粒子が、大気との摩擦で剥がれ、途中で暴発してしまう。
この欠点があるものの、射程内では実体弾より高い破壊力を持つため、ノアの機銃や、旧国連合小型戦闘艇の主力兵装として運用されている。
「荷電粒子砲圧縮率、97%あと1分で撃てます。」
モニターを眺めていた、動力系統を担当するオペレーターが叫ぶ。
「荷電粒子圧縮砲、砲塔展開!全艦に通達。荷電粒子圧縮砲で一網打尽にする!残存戦力に対し殲滅攻撃の用意!」
指揮を取る副艦長が叫ぶ。
「荷電粒子圧縮砲、砲塔展開!」
隣に立つ、副官が復唱する。
「敵艦隊旗艦に動きあり!艦先端部から砲塔と思われるものが展開していきます!」
ドレッドノート内ではオペレーターが観測した以上について報告する。
「何か動きがおかしい。全艦に通達。散開しつつ、後退!」
「散開しつつ、後退!」
「敵艦隊、撤退開始!」
「荷電粒子圧縮砲、発射率100%!直ぐに撃てます!」
二人のオペレーターが同時に叫ぶ。
「照準器起動。艦先端部荷電粒子圧縮砲!発車用意!総員対振動防御!副艦長発射許可を!」
戦術長が冷静に発射シークエンスを踏む。
「荷電粒子圧縮砲の発射を許可する!目標、敵艦隊!」
「目標、敵艦隊!」
艦長が許可をだし、目標を定めると、すぐさま戦術長が復唱し...
「荷電粒子圧縮砲、発射!」
叫ぶと共にトリガーを引く。
放たれた光線は柱というべきほどの太さで敵艦隊へ走る。
視認した瞬間に迫る光線は、従来の圧縮粒子砲と違い、荷電粒子は磁気を帯び、付近の粒子を巻き込み射程距離と共に威力が増し、3万kmほど離れた位置からの射撃で、オーストラリア大陸ほどの大きさの物を破壊可能になっていた。
敵艦隊の最前艦である、クイーンエリザベスに光線が直撃した瞬間、ピギュ、グシャア、といった形容しづらい音と主に、爆炎と光の嵐が起き、敵艦隊をアークイドから隠す。
「敵艦隊視認不可!」
「磁気嵐が収まるまで、全艦、地上部隊の援護!」
「全艦、地上部隊の援護!」
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