第拾参話 充填! 荷電粒子圧縮砲!

「なぜだ!なぜ、奴らは艦載機を出さないんだ!」

電磁防壁により、艦砲射撃が決定打ではなくなり、艦載機による、近接戦が敵艦を撃墜させるには、1番早いとされていたのだが、それを使用しないことに、グラハムに焦りを持たせる。

「基地の防衛部隊の損害率、上昇!」

「基地を、落とすことしか考えていないのか?!

よろしい、ならば私が出てやろう!」

小難しいことを考えるより、パイロットの血が騒ぎ、体が闘争を求め、戦うことの方が彼にとっては大切だった。

「誰が艦隊の指揮を取るのですか?!」

至極真っ当なことをオペレーターが聞く。

「そうだな。では、ルーク少将。艦隊の指揮を頼む。」

「了解しました。」

グラハムの後ろに立っていた、彼と同年代の男が、立ち上がった、グラハムの代わりに座る。

「全艦、衡軛陣形に移行し、敵艦を艦砲射撃により牽制しつつ、中枢部に戦闘艇を送り込む。」

すぐさま指揮を変わった、ルークは指揮を取る。


「敵艦隊、陣形を衡軛陣形に変更しました。そのまま、こちらに突っ込んで来ます。」

「では、全艦に通告。本艦隊は陣形を変えずに迎撃しながら後退。敵艦隊を、基地から遠ざけ、荷電粒子圧縮砲による、一撃を加える。それと、荷電粒子圧縮砲の充填率はどうなっている?」

「現在約、13%。あと、40分で充填完了、発射できます。」

「そうか、駆動装甲隊の、基地侵攻率はどのくらいだ?」

「敵基地の、予想されている防衛戦力の5%の撃墜を確認。味方の損害は今の所、ほぼないようです。」

「では、地上の駆動装甲隊には、このまま、攻撃を続けるように、知らせろ。」

「了解しました。」


「突っ走って、また救援に向かわせるようなことはしないでもらいたいねぇ。」

ラペイシャスが冗談混じりに、そう独り言を呟く。

「わかりましたよ。」

「お前ら、気を引き締めろ。俺たちが、この作戦が成功するかを、担っているんだからな。」

「全機散開!基地に侵入し制圧と行こうじゃないか!」

「そうだな!ラペイシャス。」

周りには、大小様々な駆動装甲が背部ブースターを吹かして、基地のハッチから侵入していく。

「マキア!ノアが先入可能なサイズの通路はあるか?」

「少し待ってください。データベースの情報を取得。ありました!」

「どこだ!?」

「マーキングします。発艦用のスペースと艦艇の待機用地下ドックから行けます。」


「基地に侵入されたことが、確認されました。このままでは、地下司令部に侵入されます。」

「わかった。艦載機の一部を基地防衛に回してくれ。それと、グラハムに回線をつないでくれ。」

「わかりました。」

ピィー

「ルークだな。情報はこちらにも入っている。ピンチなんだってな。」

「話が早くて助かるよ。」

「では、そろそろ出撃させてもらう。」

「基地を任せた。」

「ああ。グラハム・E・クーパー ヨクイC DAカスタム出る!」

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