第拾壱話 砲戦! ブライズ・ノートン空域の戦い!

「私は、アークイド艦長キシベだ。途中まで、第十三混合艦隊の指揮を取らせてもらう。」

艦内を作戦前の独特の緊張感が覆う。

ジークはコックピットの中で、緊張感の中で、興奮と衝動に駆られる。

そんな中、通信が入る。

「私は、このイギリス地区奪還作戦の総指揮官のネビィル・R・クラクストン軍隊長だ。この作戦では、各艦隊の任務遂行が重要となる。諸君の健闘を祈っている。」

薄っぺらい内容の通信が切れると、もう1つ通信が入る。

「これより、我が第十三混合艦隊は作戦行動を開始する。全艦主砲装填、最大戦速で、目標地点に侵攻開始。艦隊陣形は、戦術コンピューターのC4回路を確認、実行してもらう。」

ブリッジ内では、キシベが艦に指示を出している。

「艦影確認、敵艦艇数、確認できるのは、20隻です。」

オペレーターがモニターを覗きながら、叫ぶ。

「距離は!?」

「距離、約15km先です。」

「全艦に通達、主砲装填。」

そうキシベが言い放ち、オペレーターが通告する。

現在キシベの第十三混合艦隊は紡錘陣形を取っていた。巡洋艦が、前面に出て、作戦の要とされる、空母が後方、戦艦が、その間に入る形となっていた。


同時刻旧国連合ブライズ・ノートン基地防衛艦隊旗艦ドレッドノート

「前衛の空母クイーン・エリザベスより入電。太陽系連邦艦、21隻確認。うち巡洋艦10隻、空母5隻、戦艦5隻、情報にない未確認艦1隻です。」

少し暗めのブリッジ内でオペレーターが叫ぶ。

「他の艦に入電。我ら防衛艦隊は、2小艦隊に別れ、挟撃するような陣形をとる。」

ロイ・グラハム・ナイツは旧国連合の優秀な指揮官だった。欠点があるとすれば、少々平凡だったことだろう。


「敵艦、2部隊に分かれ、敵艦同士の距離を空けていきます。」

キシベは、少し手を頭に当てるとすぐに指示を出す。

「全艦、進路変更、分かれた艦隊の右翼を、回り込むように攻撃、基地に部隊を投下させる。」

「では、副艦長、後は頼みました。」

隣の席に座っていた、副艦長は頷き、キシベはブリッジを出る。


「グラハム中将、いえ艦長。敵艦隊が側面に回り始めました。」

オペレーターがそのように言うと、スムーズに答える。

「直ちに陣形を紡錘陣形にさせろ。全艦、艦載機を射出。艦載機による攻撃を開始。」


「敵艦隊、陣形を紡錘陣形に変更。艦載機の射出を確認。」

「全艦、ミサイル発射。艦載機も出せ。」

艦艇の側面部に着いてあるハッチが、展開し、煙とともに、飛翔する。

飛翔体は、細かい、ミサイルを多数発射し、落下する。

近づいてきた、敵機を補足したミサイルは、直線的に動き、目標に当たると、文字通り、粉々にする。


「」艦載機、全滅。敵艦隊、もう少しで射程圏内に入ります。」

「全艦、砲門開け。」


「敵艦隊、射程圏内に入ります。」

「照準を定めろ。」


「撃ちぃ方始め」

「ファイエルッ」


同時に、艦隊の間には、幾つもの光が交差する。

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