第捌話 突撃! 第八小隊!
第捌話 実•行
マーカーが輸送機の進行方向の先とその周りに表示される。
風を切る音以外無音のままノアを搭載した輸送機が超高高度を飛行する。
14:00
副艦長の通信が入る。
「爆撃開始は14:10だ。包囲隊は指定の位置についたか?」
「こちら第4小隊準備完了です。」
「こちらは第5小隊完了です。」
「第6小隊も完了です。」
「第7小隊完了です。」
「了解した。爆撃隊、護衛機発進用意。
電磁砲装填、荷電粒子圧縮砲チャージ開始。
第08小隊、この部隊が作戦で一番重要な部隊だ。いつでも戦闘可能なようにしておけ。
14:05
「作戦開始まであと5分です。」
オペレーターが緊張感を持って言う。
「爆撃部隊、護衛機発信!」
旧戦艦のミサイル発射管が展開すると戦闘艇が発射される。
音を置き去りにする速さで戦闘艇が飛んでいく。
14:09
「爆撃隊、荷電粒子圧縮砲用意。
発射まで30、25、20、15、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1、発射ァ」
14:10
彼の視界には超高高度からでも視認できる、光の柱と光の矢、爆煙が映る。
「次は俺らの出番だ。」
キシベが回線を開き話す。
「投下まで10、9、8、7、6、5、4、3、2、1、投下ァ。」
副艦長の声が回線内に響くと同時に、ガチャ、と拘束具が離れ落下する。
風を切って落下すると、シュミレートと同じタイミングで敵の姿が出始める。
「マキア、マルチロックオン開始。」
「了解しました。」
彼が命令すると彼女はモニター上の敵の輪郭を際立たせる。
「完了しました。」
「ミサイル全弾、発ッ射ァ。」
「了解しました。」
羽の骨格部分が飛び出す。骨部分が展開し粒状になりマークした敵に向かい飛来する。
次の瞬間には爆炎のカーテンが彼らの周りに展開する。
「マーキングした敵数、約500機。マーキンした全機、撃墜確認しました。ミサイルポッドパージします。」
ブースターをふかし安全に着陸する。
「散開ッ」
キシベが緊張感を持って言う。
「了解ッ」
二人が返事すると3方向に散り始める。
ハイ・ウィッカム基地奪還作戦に使用されているノア専用追加特殊装備であるD装備は機動力をブースターにより向上され、装甲も増設されている。またこの装備の特殊装備のパイルバンカーは遠近両方に対応出来ると汎用性に富んでいた。
「包囲部隊、支援開始。」
副艦長が言うと外側の敵が、最初の爆撃とは違う機銃のような攻撃で撃ち落とされる。
彼はバックパックに懸架してある刀を取り滑らかで合理的な軌道で敵を切り落とす。
敵が離れれば、空いている左手の薬指を曲げ変形させ、中指で発射形態に移り撃ち落とす。
戦艦の主砲と副砲を担う電磁砲から発せられる、光の矢も敵を撃ち落とす。
電磁砲は、レールガンを転用し作られた戦艦用砲で、大気圏内では大きく威力を落とす可能性がある荷電粒子圧縮砲とは違い、宇宙、大気圏内問わず、安定して威力を出すため、宇宙と大気圏内をどちらも活動可能な、第弐世代超弩級戦艦であるアークイドに搭載されていた。
アークイド内
副艦長が指示を出し、オペレーターが味方に情報を伝える。整備士が帰還した戦闘艇の整備をし、また送りだす。砲手が位置を設定し、砲撃する。
そんな中、鬼気迫る声の通信が入る。
「こちら、Aエリア担当第四小隊。至急応援を頼む。」
オペレーターの上部にある地図に映し出されている点が急に数が減る。
「第四小隊に一番近いのは?」
副艦長が急いでオペレーターに聞く。
「奇襲攻撃中の第八小隊です。」
「回線を繋げ。」
「了解しました…繋がりました。」
「第八小隊に緊急の任務だ。Aエリアの第八小隊が応援を出してきた。撃墜された可能性もある、至急向かってくれ。」
「了解しました。」
ジークが無線越しに返事をする。
爆音が止めなく流れ、破片が飛び散る戦場に目を向けると。
早速向きを変えたジークは草原地帯を耀キを纏、カける。オペレーターが情報共有のために遠隔操作で繋げられた回線から、悲鳴が流れ、彼に戦争であることを自覚させる。
戦闘艇同士の戦いは、ちらほら見えていたが、一際大きな爆煙が上がる箇所が、モニターに映し出される。
「目的地まで、あと10km。もう少しで着きます。気をつけてくださいね。」
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