第参話 顕現! 希亜の本質!
3機は格納庫に乗ったままエレベーターに入る。乗りながら格納庫にあるノア専用アサルトライフルを手に取る。登っている時にAIが話しかけてきた。「試験場で走っていた時はOFFにしていたのですが反重力式磁力ブースターって機能があるのですが、付けますか?」「どんなのだ。」「走る時に通常より高速で走ることができるようになります。」「付けといてくれ。」そのような話をAIとした頃に地上に出た。かなり勢いがついていたのか機体は少し宙に舞う。
しかしこんな大きな機体が地下から上ってきたのだから、さぞ大きな振動がしたのだろう。
敵に気づかれるほどの。
右後ろの機体が撃たれる、アンモトのだろう。敵の弾は一撃で装甲の吹き飛ばし、二発目で中のアンモトを殺したのだろう。
しかしそれは彼の気にすることではなかった。彼が気にするべき事は敵討ちでもなく、戦うことだけだろう。
止まったら弾に当たるだろう。彼が走り出す。機体は耀キを残して走り始める。彼の体にはとてつもないGが掛かったものの、ノアの巨体からは考えられ無いほどの速さで動いていた。
「とんでもねぇ。」「弱めましょうか?」「いいや、大丈夫だ。慣れてみせる。」
驚いてるところを突くように円盤いや叛逆軍空上戦闘艇が撃つ。
ノアの真横にミサイルが落ちたものの、爆発する。アンモトの機体を破壊する威力だ。
機体が宙に浮く。「オート姿勢制御起動。」AI、いや彼女が言う。
機体は宙に浮いたまま、耀きを纏い、立ち続ける。
「どうなっているんだ?」「ノアに搭載されている、[粒子圧縮機]により宙に浮き、空間を疾る事ができます。」とてつもない超技術が搭載されていることが開示されたが気にしていたら撃ち落とされるのだろう。彼は次の瞬間には走り出していた。
ノアいや彼のもつアサルトライフルは過去の大戦に使われたものより近未来的なデザインをしており、弾はなんの変哲のない弾なのだがノアの巨体に見合うサイズのため、当てれば奴らを一撃で破壊することが可能になっていた。
彼が走りながら銃を構えるようにし、トリガーを引く頃には彼女の支援によって弾道が計算され、当たるようになっていた。
彼は宙を駆け、一度ライフルを構えれば敵を落としていた。
それが慢心に繋がったのだろう。周りを確認せずにマガジンを変えようとしたところ...
バヒュッ!
周りを囲んでいた戦闘艇からミサイルが放たれる。
彼には反応することができなかった。
ダダッ
もう1つのノアが銃を放つ。
「おやおやおやぁ。飛び出して言ったと思ったら、やられかけてるとは。」
「すまなかった。ラペイシャス」
「悠長に話してる場合じゃないとは思うんだけどねぇ。あの空中を走っているのはどうなっているのかい?」
「お前んとこのOSに同じ設定にするように言えばいいんじゃねえのか。」
「おいエミット、聞こえてただろ。」
「わかりましたよ。」
バヒュッ
ミサイルが飛んでくるも、耀キを纏いし神には当たるわけはなかった。
戦場に現れた耀キを纏う神達は弾を避け、敵を撃ち落とす。
その光景は味方には神の舞に見えただろう。また感情のないはずの敵には恐怖を覚えさせた。
旧世代の潜水艦に似た容姿を持つ空上戦闘艇は、反逆軍のもの比べ性能も、数も勝るのだが連邦軍のものは旧式とされる有人式になっており、無人式とされる叛逆軍に比べ、兵の練度不足や士気などで遅れをとっていた。
「そっちは何体落としたんだい?ラペイシャス。」
「さっきやられかけてた割には余裕だねぇ。」
「それにしても弾の数が少なくないか。」
「歩兵に持たせるならいい量なんだろうけどねぇ。」
そんなことを話しながらも敵を撃ち落とし続ける。
「おっと、弾が切れちまった。」
「どうするんだい。」
地下から大きな振動が放たれる。
「お前ら、これを使え。」
教官の声が響く。
彼らが出てきたように地下からエレベーターを使い、大きな戦斧が2本も出てくる。
「面白そうだねぇ。私が2本とも使わせてもらうよ。」
「お前、ふざけんなよ。」
「弾はやるよ。」
2本の巨大な戦斧を振り回し、宙に浮く敵を切り落とす戦神。
その神、また彼自身を守るように敵を撃ち落とすもう一柱の戦神により一方的にやられる戦いであったものは、勝利に向かうようにひっくり返るのだった。
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