第弐話 起動! 機械巨神希亜!

[機械神話]太陽系連邦の国教となっている、「機械教」の聖書の一部に記されている、人類の起源が記されている。これらは生物学で完全に否定されるが、起源の一つの解として民衆にしれ渡っている。

 主ハ母ナル’’ダイチ,,ヲ創リ、父ナル’’ウミ,,ヲ創リ、子ナル’’ヒト,,ヲ創ッタ。

 ソシテ主ハ’’ダイチ,,ヲ使イ、’’ウミ,,ヲ’’コエル,,タメノ’’キカイ,,ヲ’’ヒト,,二アタエタ。

 シカシ’’ヒト,,ハ主ノ予想ヲ超エ’’ヒト,,同士デ醜ク争イソノウエ’’主ノ座,,ヲ奪オウトシタ。

 主ハ神トナリ歯向カイシ’’ヒト,,ヲ滅ボシ残ッタ優秀ナ’’ヒト,,二更ナル’’ダイチ,,ト’’キカイ,,ヲアタエ育テタ。

 神ハシカシ怪我ヲ負ッテイタ。

 神ハ残ッタ機械ヲ取リ込ミ、傷ヲ癒シタ。

 ソシテ神ハ最後二「信仰ヲ忘レルナ」ト言イ残シ去ッタ。

 ソノトオリダ。

 神ノ言イ残シタ通リ、信仰シロ、信仰シロ、信仰シロ、反逆者ヲユルスナ、殺セ。


 教官に連れられ異常に天井が高く、彼が見た事のない機体が格納だれている地下を進んでいく。そのうちに彼は教官がエレベーターの中で機械神話について聞いてきた理由がわかった。


 神


 神が眠っているのだ。理解は追いつく前に気づく。神が眠っている。理解が追いついた頃だろう。聖書の挿絵に載っている機械を与え、機械そのものである神だった。考えが追いついた頃だろう。神は人の形をしながらも、ざっと25mぐらいと巨大だった。

「これは、神ですか?」

語尾が下がりながらアンモトが聞くと、教官は、豪快に笑いながら資料を渡しつつ話してきた。

「そのとおりだ。と、言いたいところだがこれは神の模倣品、ノアだ。太陽系連邦軍新型試作巨大駆動装甲 だ。」

「ノア、神の啓示を受けた者ですか。」

ラペイシャスがそう言う。

「そのとおり。神をかたどった物で奴ら反逆者に鉄槌を下す為にこれは作られたのだ。」

「しかしこれ、動くのですか?」

彼はふと思っていたことを言う。通常太陽系連邦軍で運用される駆動装甲は最大でも15m級なのだ。

これはパッと見25mぐらいだ。この世界は全てのものは機械によって造り、改良されているためそれに対してこのような発言は、神である機械が完璧でないと言う発言になり、逮捕の又は処刑の対象になってしまう。

「その発言は、機械を疑っているのかい?」アンモトがそう言うとしばしの沈黙が生まれた。

その沈黙を破るように教官が話す。「その発言は地上では言わない方がいいぞ。ここには幸い我々しか居ないから見逃すが気をつけたまえよ。話を戻すが、これほど巨大ながらこいつは動く。」

「さっきも言っていた通り乗せてもらったのだが、君たちの思っている以上に動けるよ。」キシベがそう言った頃に全員の耳あたりに埋め込むチップに連絡が届く。

「総員、戦闘準備。繰り返す総員戦闘準備。反逆者があと約5分で到達する。SAC部隊は前線を張れ。PS部隊は後方支援用意。M部隊はいつでも出撃が可能なようにしておけ。SM部隊は命令があるまで待機、操縦方法を聞いておけ。連絡は以上だ。総員行動に移れ。」「待機ですか。」残念そうにラペイシャスが言う。

「残念そうに言うな。貴様らにはこれの操縦をできる限り覚えて最終的にこの戦いに出れるようになってもらう。」「こんな少しの時間で覚えられるんですか?」アンモトが聞く。「こいつの操縦方法は駆動装甲と同じ。内部のフレームに体をつけて動くと本体も連動する。ただ普通の駆動装甲より負荷が大きいがな。」コックピットの中に入ると通常の駆動装甲とは違った広々とした無機質な空間があり、奥の方にはパイプか何かが通っている。空間の中心には、人間の可動域に従っている中身が空洞になっているもののフレームは剥き出しにはなっていなかった。

「そうそう、お前らの機体にはそれぞれ別のサポートAIが搭載されている。こいつらは名前もあれば、人格も有している。特殊なAIの試験用なんっだてよ。」

 従来の駆動装甲と同じようにフレームを装着していく。この機体は通常の駆動装甲とは違いコックピットを有すためカメラの映像を見るためのゴーグルを着ける必要だった。ゴーグルをつけたところで頭の中に声が響いた。

「ゴーグル装着確認。全神経回路接続確認。搭乗者精神状態良好。本機損傷率0%。関節部駆動率100%その他確認要素全て良。起動可能。起動します。」

機械音声ではなく、無機質ながら人間味のある女声が響く。

響いたのと同時に、ゴーグルのスクリーンに少女の姿が映し出される。

「よろしくお願いいします。

さっきの少し無機質な声から活発な声に変わると「おっと、すみません自己紹介がまだでしたね。この機体の操作OSを管理するAIのマキアです。」

さっき教官の言っていた、「」というのはこれのことなのだろう。

「オプションでスクリーンのやつは消せますがどうします?」

「いや、大丈夫だ。」

周りの奴も起動したようで教官が次の指示を出そうとしていた。

「お前ら、動かせそうか。」三人が同時に返事をする。

「これから、テストを行う。」そう言うと格納庫ごと機体が動く

「これごと動くのですね。」

AIが話しかけてきた。

機械ながら人格があると言っていたが、自ら話かけてきた。などと考えていると、実験場に到着した。

「これから実働試験を開始する。全機固定具を外し前に歩いてみてくれ。」

いつものように体を動かす。

彼が右腕を上げると、ノアの右腕も上がる。

左腕を上げると、ノアの左腕も上がる。

彼が走れば、ノアも走る。

周りの奴らも機械ながら人のように動いている。

「お前ら、動けるようだな。」チップを通して教官が話しかけてくる。

「さっき連絡があったのだが、戦況は芳しくないようだ。」

「無茶を言うようだが、出撃出来そうか?」全員が二つ返事で引き受ける。

「お前ら、固定具のある格納庫に戻ってくれ。」規律よく巨大な金属の塊は格納庫へ向かい固定具をつける。「作戦はすまないが無い。全員生き残ってくれ。」そう言うと教官は敬礼をすると、動き出した格納庫を見送った。

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