第15話 勇者と魔王と食人木達のお昼どき
「まさか俺の方が負けるなんて思いもしませんでしたよ…」
「いえいえ…ソヴィラ様が2つの人格をお持ちとは…だからなのですね。」
「どういうことですか?」
「魔法か剣技どちらかを極めるのが強くなるための近道。しかし、風の噂を聞く限りどちらも一級品の実力があると言う噂を耳にしまして。」
「それで、実力を試したかったと?」
「いえ。目の前でイチャイチャするのが許せなかったので…」
「……え?」
「ご主人さまー。」
近くの木からイリアが現れた。
「なんですか?」
「ロリアが奴らが国境付近で展開し始めたから殲滅してこいだってー。」
奴ら…?
「はぁ…わかりました。すみません。ちょっと出るのでお屋敷でお待ち下さい。では。」
次の瞬間レインさんは転移していった。
「…レインさんも大変そうだなぁ……」
「レインー。」
屋敷からヘリカが走ってきた。
「ん?ヘリカどうしたの?」
「リディアが呼んでたから探してたの。」
「そうなんだ。というか、ここでちょっと戦闘してたから分かると思うけど…」
「手料理作ってるから手が離せないから呼んできてって言われたから。」
「あぁ。そういうことか。」
「ほら、さっさと行くから手を出しなさい。」
「え?別に一人で起きれるけど…」
「いいから…ほら。」
「ん、しょっと。」
僕がヘリカの手を握って立ち上がると一瞬ヘリカの体が光った気がした。
「あれ?なんか光った?」
「気の所為じゃない?ふふっ…」
「まあ、いいか…」
――――――――――――――――――――――
「あ、来たみたいです!」
「あ、ソヴィラどこいってたの?通信が届かなかったから。」
「ちょっとレインさんと戦闘してただけだよ。」
「あ、そうだったんだ。それより、見てみて!美味しそうでしょ!」
「これは……シチュー?」
そこには、美味しそうな匂いがするシチューがあった。
「そうだよ!」
「ほらほら!席について!全員分よそってあげるから!」
「「「「いただきます!」」」」
「ど、どう?」
「美味しいよ。」
「よかったぁ……」
「ふ、ふん。やるじゃないの。」
「さすが魔王様です!」
僕達はシチューを食べて至福のひとときを過ごした。
一目惚れした勇者と魔王は逃げてゆっくりする。 そこらにいるウナギ @rein04
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