第13話 勇者は魔王と食人木の修羅場(?)が発生する。
「ん〜〜〜〜!?!?」
なんでヘリカにキスされてるの!?
ちょ!?離そうとしてもガッチリホールドされてるせいで離せない!?
「んっ…ご主人さまの魔力…美味しい…ふふっ…んっ…」
一回キスをやめたと思ったら僕の魔力美味しいって言ってまたキスを始めた。長いよ!?
「んーー!」
「んっ…これくらいでいいかしらね。」
「へ、へ、へ、ヘリカ!?何したの!?」
「何って…契約の儀式ですよ?ご主人さま。」
「ごめん…待って…いろいろ理解が追いつかない…」
「簡単に言うと…私とご主人さまの間に
たしかにヘリカとの間に魔力の通り道ができているような気がするけど…いやいや。それよりも、
「なんでご主人さまって呼ばれてるの?僕は。」
「契約の種類が従属の魔法でしたからね。ちなみに解除できませんからね。」
解除出来ないの!?
「ええ!?」
「これからよろしくお願いしますね?ご主人さま!」
眩しい笑顔でヘリカが僕に抱きついてくる。こんなとこディレカに見つかったら…
「ソヴィラ?何してるの?」
………オワッタ…
「ディ、ディレカ…えーっと…」
必死に弁明しようとするけど…緊張のせいで舌がうまく回らない。
「キスしてました!」
「ヘリカ!?」
そうだけど言わなくてもいいよね!?
「へー…ソヴィラは私のことよりヘリカがいいんだ…ふーん…」
「違うよ!?僕はディレカが一番好きだよ!?」
「でも、ヘリカとキスしたんでしょ?」
「うっ…それは…」
「それに…その魔法…結婚に使われる魔法じゃないの。まだ未完成みたいだけど。」
「へ……?」
「魔王様ー…ネタバラシ速いですよ?」
「ふん。あんたはソヴィラに近づかないって思ってたけど…思わぬ伏兵だったようね…」
「ご主人さまは魔王様より私に夢中なんですからどっか行ってください。」
「何ですって…?あなたにソヴィラが夢中?そんなおこちゃま体型で何言ってるのかしらね?」
そんな感じで僕が困惑しながら少し離れたところで睨み合っている二人を見ていると…
「あれ?魔王様にヘリカは何を話しているのですか?」
ヘリアが僕の隣にいつの間にか立っていた。
「あ、ヘリア…実はね…」
僕はこれまでの経緯を簡単にヘリアに話した。
「なるほど…ヘリカって
「うん。」
「なるほど。決闘はあそこの森の出身のトレントは神聖なものとされているんです。決闘をするのは主に2つの理由があるんです。
一つは重要な物事を決めるときに決闘をし勝者の意見を通すというもの。2つ目は結婚するときですね。」
「結婚するとき…?」
「はい。武を重んじているので結婚するときに決闘をしてお互いの武をよく知り、絆を深め合う目的みたいですね。」
「で、それを僕受けて…」
「圧勝してしまったと…それは惚れられても仕方ないですね。あの森は生きるか死ぬかの森だったらしいですから…」
「トレントでさえも?」
「はい。食人の森と呼ばれてから人が来なくて栄養不足だったらしくて…共喰いで生き延びてきた森でしたから…」
「そうだったんだ…人族だと知り得なかった情報だね…」
そうなんだ…だから最初僕にきつい態度取ってたのかな?
「あと…ヘリカは雌ですから…たぶん子供もほしいと思ってるんじゃないですかね。」
「へ…?子供?」
「いつ死ぬかわからなかったですから自分の子孫を残そうとする本能が強いんですよ。だから…気をつけてくださいね?」
そして、ヘリアはどこかに歩いてった。どこか面白がる雰囲気をにじませながら。
――――――――――――――――――――――
やっぱり恋の敵はいたほうが面白いと思う。
…わたしだけかな?
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