第12話 勇者はトレントの女の子と決闘をする。
僕は起きて部屋を出るとちょうどディレカが出てきた。
「あ、おはよう。ディレカ。」
「ん…おはよう…」
ディレカは眠そうに挨拶を返してきた。
「眠そうだね。朝に弱いの?」
「うん…いつもこうなんだよね…」
「意外だね。ディレカは朝強いイメージがあるよ。魔王だからかな?」
「全然だよ…二度寝しちゃう…でも、自分で起きたのは今日が初めてかな。」
「そうなの?」
「うん。従者の人に起こされてばっかで…でも今は違うよ。少しでも速くソヴィラに会いたいから。」
「僕もディレカに会いたかったよ。」
僕達が見つめ合っていると…
「そこー…朝からイチャイチャしないで…」
声の方向を見ると不機嫌そうな顔のロリア様がいた。
「あ、ロリア様。おはようございます。」
「うるさいわね…ロリアはさっさとレインのもとにでも行ってなさいよ。夜にレインがそばにいないと寝れないんでしょ?」
「う、うるさいわよ!そっちだってソヴィラがいないと生きてけないんでしょ!」
「ええ。そうよ?」
たまにディレカってすごい発言するよね…嬉しいけどさ。
「ああ!もう!なにこの敗北感!」
「お二人共?朝からお元気ですね?私が稽古でもしてあげましょうか?」
「「!!」」
二人が急にすくみあがると…震えながら声の主のを見た。
「あ、レインさんおはようございます。」
「おはようございます。はぁ…元気なのはいいですけど、朝からこの感じですと…毎日私の胃を壊す気ですか…?」
今日も疲れてるね…レインさん。
「す、すいません…あと、稽古はやめてください…」
「うう…ごめんなさい…」
ディレカとロリア様があやまるとため息をついてから
「朝食の準備が整ったので朝食の時間です。」
「わかりました。」
「はーい。」
「今日は何かしら…」
僕達はロリア様のお屋敷の廊下を歩きながら食堂を目指した。
――――――――――――――――――――――
「勇者!勝負しなさい!」
「なんでよ…」
朝食のあと庭にいたヘリカが勝負しろ!と言ってきた。(ヘリアとヘリカは水と日光で生きていけるので朝食の時間は日向ぼっこしていた。)
「魔王様に教えてもらったわ!あなたが勇者で私はヘリア様に召喚された眷属だって!」
「ああ…言ってたね。そして、ヘリアがデストレントから
驚いたよ…前に討伐したことあるけど…強かった。怪我をする戦闘は久しぶりだった。
「ええ!そして…私はあなたに恨みがあるの!」
「恨み…?」
「ええ…忘れもしないわ…あなたに倒された…仲間たちのことも…」
「なるほどね…僕が倒してきた魔物の打ち漏らし…それが君ってこと?」
たぶん…
「ええ…」
「そっか…だから僕と勝負をしたかったんだね…」
ヘリカからしたら僕は仲間を虐殺した人間だからね…
「そうよ。だけどこの一回だけで勝負をつけるわ。」
「どういうこと?」
「決闘ってことよ。私が勝ったら何もいらないわ。でも…あなたが勝ったらあなたの眷属になるわ。」
「何もいらないって…しかも眷属…ってなに?」
「ルールは簡単よ。先に一発いい攻撃を入れたら勝ちよ。あと、武器はなしね。」
人の話聞いて無い…
「はぁ…わかったよ…あとで詳しく聞くからね…じゃあ…」
「おらぁー!」
急にヘリカが殴りかかってきた!僕はそれを間一髪避けると強化魔法を自分にかけてから
「あぶな!?開始の合図ってないの!?」
「あれをかわすの…?強化魔法全力でかけてからの攻撃だったのに…」
たしかに速かったけど…なぜか反応できたんだよね…
「たしかに今の僕だったらかわせないのに…なんでだろ?」
「まあ、私の負けよ…こうさーん。」
「随分と速い降参だね…」
「しょがないでしょ…魔王様と渡り合う化け物を相手に戦えるわけないでしょーが。ほら、ちょっとこっちに近寄れるかしら?」
「…?わかった。」
僕はヘリカに近づくとさらに前かがみになるように言われた。
…なんかヘリカの顔赤くない?
「これは眷属になるための儀式だからね…」
僕は顔が赤い理由を聞こうと口を開いた瞬間に
ヘリカが僕にキスをしてきた。
「!?!?」
――――――――――――――――――――――
お久しぶりの更新です…
どこかで2話投稿する予定です…(確定ではない)
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