イリア王国編
第6話 勇者と魔王は子供を作る。
【起動:聖剣ヴィレルナル】!」「【起動:魔杖ルナル=カノル】!」
武器を起動した僕達はお互いが何をしようとしているかが手にとるようにわかる。だから…
「「合技
放たれた
爆発…いや爆裂した城は木っ端微塵に砕け散った。
予想ではここまで威力は出ないはずだったんだけど…
そう考えていると僕達の武器が光りだした。
「っ!なんだ!」
「きゃあ!なんなの!?」
きゃあって…そんなかわいい悲鳴を上げるんだね…って、それどころじゃないよ。僕達が狼狽えていると、声が頭の中に聞こえてきた。
《シリーズ・ルナルの共鳴を確認。使い手と武器のリンクを確立…成功。ヴィレルナルとルナル=カノルの使い手とのリンクの接続…成功。》
何が起きているんだ…?リンク?わけがわからない…
謎の声は続く。
《リンクLv.1 時の魔法属性の開放…専用剣技
そして、謎の声はフェードアウトしていき完全に消えた。
「何だったんだ…?今の声は…」
「わからない…深淵の魔法属性…?聞いたことがないよ…そんな属性。」
「深淵?僕も時とかいう属性もらったけど…あと【次元斬】…だっけな。あとはパートナーとの通信回線の確立…だっけな?」
「聞いてる感じ、違うところは、君は新しく時の魔法属性と剣技が使えるようになったのかな?私は深淵と【黒炎】って名前の魔法も使えるようになったみたい。」
「そうなんだ…って、口調どうしたの?可愛らしい口調になってるけど…」
「この話し方が元々の話し方なんだ。あの話し方ってつかれるんだよねー…魔王らしくしろーって周りがうるさくて変えてたんだ。変…かな?」
ディレカが不安そうに僕を見てくる。変ではないよ。変でわ。ただ…大人びた雰囲気なのに幼い感じでしゃべってるからギャップがすごい!
「そう…だね。もう少し大人っぽさがあったほうがいいと思うけど…僕はそのままでいいと思うよ。」
「うーん…外では大人っぽくしよっかなー。でも、君と二人っきりのときはこの話し方でいくよ。」
「うん。わかったよ。それで、とりあえず【次元斬】と【黒炎】を試してみようよ。まあ、ヤバそうだけど…」
「とりあえず、そこにある樹でも斬ってみたらいいんじゃないかなー?ほら、そこの大きな樹。」
ディレカが指差す方を見てみるとそこには大きな樹が生えていた。
…なんか邪悪な気配がするんだけど。
「あれって…デストレントだよね?」
「うん。デストレントなんだけどあれは建築用に大人しくなるように改良されたやつだね。」
たしかにトレントって倒すと良質な木材になるんだけど…デストレントって災害級のモンスターだよね?
「ま、まあいいか…」
集中しなきゃ…初めての技だし何が起こるかわからないしね。
「【起動:聖剣ヴィレルナル】…【次元斬】!」
起動した剣をデストレントを真っ二つに薙ぎ払った。
「うっそぉ…」
ディレカが言葉を失っている。うん。僕もその気持ちはわかる。だって…
「うわぁぁぁ……って、あれ?生きてる?」
なぜか全裸の幼女(?)が土下座していた。
「えっと…君は?」
「さっきのデストレントです!」
「【次元斬】のせいなのかな…いや、でもトレントが人の姿をするなんて聞いたことないぞ…」
僕が頭を抱えているとディレカが肩を叩いてきた。
「ソヴィラ…さっきあのデストレントに謎の魔力が多量に注がれたのが見えたの…その元なんだけど…君が斬った所から流れてきたんだ。」
「この技は使えなさそうだね…」
やっぱりしっかり調べたほうがいいな…
「えっと…魔王様ってこんな感じでしたっけ?なんていうのかな…こう、殺気を周りに振りまいてたイメージが…」
「うーん…この人に会って世界が変わった?って言うのかしら、そんな感じよ。」
「そうなんですか…ちなみに魔王様。この人は誰ですか?」
「勇者よ。」
「はい?」
「勇者よ。あと、私の夫にもなるの。」
間違ってないんだけどさ…はっきり言いすぎだよ…
「ま、魔王様!?ゆゆゆ、勇者って…あの魔王様を殺しに来た、あの勇者ですか?」
「ええ、そうよ。」
「ええぇぇ―――――――――!!!」
そしてデストレントの女の子(?)は気絶してしまった。
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