第六話折れる心

「あっあれは!?カラミーソ!」

ディスが叫ぶ

「あんなガキどもに手こずって居るのか,バルザン」

「申し訳御座いませんカラミーソ様」

「お前らは一時撤退,傷の手当てをしろ。後は俺がやる」

「はっ!」

魔族達が次々に引いて行く

防衛軍がここぞとばかりに攻める

だが,カラミーソはそんな数の暴力で倒せる程甘くは無かった

「待て!ここは一旦引くんだ」

エクは叫んだが駄目だった

防衛軍の人達が次々に倒れて行く


カラミーソのたった一回の攻撃で防衛軍の人達が8割弱倒れてしまった


市民の人達はまだ避難しきれてない


ここで僕達が時間を稼がなければいけない

僕達は奥の手を出す事にした

ルマとクロノスが二人でこの特訓で生み出した新しい魔法を出す

その間僕とガレティアが二人で時間を稼ぐ

これしか無い


チャンスは一回のみ


だが僕らでせいぜい15分が限界


そこまでで魔法が組み立てることが出来るか

否,僕が二人を信じないでどうする?

二人はこの世界で10本の指に入る程の魔法使いだって


僕とガレティアが一斉に走る

「アクティブウィレーズ」

この技は僕がディスナイルと共に考えた強化魔法

この効果は指定した人物の秘められた力を全部解放することが出来る技だ


速度と防御が上がる


この速度が有ればカラミーソすらも翻弄出来ると思ってた

だが、考えが甘すぎた


いくら僕らが修練したとしても大抵敵わない力の差というものがあった


いくら逃げ回ってもすぐ追い付かれる


防御も捲られる


今の時間はまだ3分


15分は大抵保ちそうにない


「ウィンドアップ」

足元に爆発を生み出し、爆風で加速する魔法だ


エクはさらに加速する


まだ足りない

「スローブースト」

周りの時間をゆっくりにして速度を上げた状態で一気に時間を元に戻す事によって加速する合成魔法だ


これで少し差がついた

だが急にカラミーソが立ち止まる

「鬼ごっこはもう終わりだ、これで全て終わらせる」

そう言ったカラミーソは詠唱を始めた


僕も今のうち結界を発動させる為詠唱を始める


「女神の力お借りします、邪を防ぐ聖なる壁今ここに」

女神の大結界ヴィーナスバリア


発生させたと同時にルマ達2人の魔法が完成した


「大自然を司る精霊よ」

「自然の断りを作りし神よ」

「我々に魔を封じる自然の力を!」

『エレメントバースト』

エレメントバーストは自然の4元素と呼ばれる火、水、風、大地の4つの元素の力を一気に放射する技だ。

だがこの魔法には大きな弱点が有る。

それは1人では到底発動出来ないという事。

一人で出せる元素は大抵二つまで、最低でも2人が必要になる。

それでいて2人の息がピッタリ合わないと完全なる『エレメントバースト』が発動出来ないので有る。

だがこの2人会って一ヶ月弱だが息がピッタリ合う様になった。

それは驚くべき事だった。


エレメントバーストはカラミーソに直撃

カラミーソの詠唱も止まる

「うごっ!これまでとは、だが良い。お前らにラストチャンスをやる。後2日待ってやるそれまでにどれだけ成長出来るかな」


カラミーソが消えた…


「おい!待て!」

エクが叫ぶ

だがその声は聞こえなかった


静かになった平原にに残されたのは何も出来なかった虚無感のみだった…

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