第五話暴れる魔族

大きな地鳴らしと雷と共に大地と空が割れる。


「うわぁぁぁぁぁぁぁ!」

「何だこれは!?」

教室の生徒達が騒ぎ始まる。


「エク!一体どうなっているの!?」

ルマとガレティアは僕の教室まで来た。


「何で!まだ二週間も有ったのに…」

ディスでも想定外だった様だ。


「悩んでる暇は無いよ、早く行かなきゃ」

僕らは魔族のいる場所へ向かった。

着いた時には、国の軍が既に魔族と戦っていた。


「おい見ろ!ガキどもが増えたぞ。ガキどもはポイント高いぞ」

「俺が全てやる」


魔族は何かゲームをやっている様子だった。


「僕とガレティアは前線に行く。ルマとクロノスは後衛で僕らの援護、僕らなら必ず倒せる!」

僕はそう言うと魔族達へ向かい走った。


「瞬発、爆ぜる、硬化」

僕は三つのバフ魔法をかけた。


瞬発はその名の通り、素早さを上げる魔法。

爆ぜるは、自分に秘めた力を少しだけ解放する魔法だ。

硬化もその名の通り、防御を上げる魔法だ。


僕は魔族に斬りかかった。

ガキンッ!

「何ッ!?」

皮膚が硬い

刃が入らない


だが僕には無詠唱が有る。

すかさずイメージした。


思うは火薬。黒色火薬。硝石、硫黄、そして木炭。

それを75、10、15の割合で混ぜる。


今回の魔法は足元にできた。

火薬の爆発力で加速する。


しかしこの速さでも傷一つつかない。

「おいお前、ディスナイル知ってるか?」

「さぁ知らないね。そのディスナイルって何者何だ」

「200年前に封印されず生き残った俺らの王だ。まぁ正確に言うと女王だけどな」


まさかディスが魔族の女王だったなんて

でも何故僕ら人間と仲良く成るんだろう

まぁ中身が彩姉って事も有るんだけど、彩姉の他に有るディスナイルそのものの感情かも知れない。


考えていた


だがその一瞬が命取りだった


魔族の剣が直撃

防御が間に合わなかった

体ごと吹き飛ぶ


こうなったらあれを使うしか無い

だが練習で一回も成功してない

これで倒せなければ僕の魔法では倒せない

一か八かの賭け


思うは水、過冷却水

まだ完全に凍りはしない、水と氷の間

衝撃が加わると氷になる液体

駄目だここまでしかイメージ出来ない


イメージが中途半端だと上手く発動しないのがこの無詠唱の難点だ


しかし、エクはこのまま撃った

やはり中途半端だった

氷のイメージが強かったらしく、氷の槍が無数に飛んでいく

だが今のエクはディスと一体化している状態だ

入学試験の時より何十倍もダメージが出てるだろう


その予想通り魔族の半数がダメージを負い、動きが鈍くなった


「攻めるなら今だ!ルマとクロノスは引き続き援護を頼む。軍の皆さん今なら行けます!!」


ルマの最大の特徴は半詠唱が使えることでは無い

詠唱魔法をたったの2秒で組み立て発動する事が出来る事である。


基本的にこの世で一番強い魔法は詠唱魔法だがその反面、発動するのに時間がかかるその為魔法は連発できない。


半詠唱や無詠唱は直ぐに発動出来るが威力があまり出ない

エクやルマ、ガレティアの半詠唱はおかしい位威力が出るがそれは例外中の例外で有る


この詠唱魔法が強いと言うのはこのルマも例外では無い

詠唱魔法をここまで早く組み立て、発動させるのにはやはりイメージが元になる


「この世の自然を司る精霊よ、我に魔に対抗出来る力を貸して下され『アイシクルフレイム』」


流石の速さだ、このアイシクルフレイムは氷と炎の二重魔法、上級魔法より上の超級魔法と呼ばれる魔法だ


魔族達は粉砕されていく


クロノスも負けては居なかった

元々魔法をそこそこ魔法を使えるクロノスは僕達の特訓で成長した所が二つある

魔法を組み立てるスピードとその威力だ


クロノスは中級までしか使えなかったが今では上級魔法も使えるようになった、今では自作魔法まで作るようになった


「植物が芽を出すように、我は魔法を生み出す。それが誰かの笑顔に繋がると良いと思う『天変地異』」


ルマの半分今ので撃退させた

人への思いも魔法の力になるのだと学んだ

この天変地異という技エクにとっては凄い身近だった言葉だったから興奮した。


僕らは防衛軍と共に戦った

あと残り僅かとなった魔族達

僕らに希望が見え出したその時、またも大きな地鳴り、雷鳴、空が暗くなる


そこには1人他の魔族とは比べ物にならない位巨大な力を持つ魔族が居た

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る