第三話いざ試験!
王都ヘズシルは、巨大な魔法都市。
ここにはなんでも有る。例えば、雑貨屋は勿論冒険者ギルドや自分の能力を観れる水晶も有る。
僕ら3人はヘズシルの関所まで行った。
「要件は」
「僕たちは、リバティスロゼッテスの入学試験を受けに来ました」
「お前達みたいな田舎者に、受かるわけないだろ。帰りな」
やはりナザ爺の言う通りだった。
ここの門番は見た目で判断するらしい。
しかし、ナザ爺から渡されたこれを使えば通れるはず。
「これでも通してくれませんか?」
僕たちは手紙を渡した。
『この者たち私ナザバル=ウィレーズの弟子で有り、我が孫達である。ここを通して欲しい』
と言う内容だった。
手紙を見せた瞬間、門番の態度が一変した。
「まさかあのナザバル様のお孫様だったとは。大変失礼しました。ささお通り下さい。因み此処に滞在中の宿はもうお決まりでしょうか?」
「まだ決まって無いけども…」
「それならば、私のお勧めの宿が御座います。この手紙が有れば泊まれると思います。宜しかったらお使い下さい」
「有難う御座います。使わせて頂きます」
「因みになんでナザ爺の事を知ってるですか?」
「お孫様なのにそれも知らないのですか?ナザバル様はこの国の軍、詳しく言うと魔法軍の基礎を作ったお方です」
つまり簡単に言うと結構凄い人らしい、だから魔法に詳しかったのだ。
門番の人と別れ、紹介された宿に向かった。
試験は明日だから今日はゆっくり休む事にした。
試験当日、試験は筆記試験と実技試験の二つが有った。
筆記は魔法ついての基礎や応用を問う問題だった。
この中には全問正解を防ぐ問題も有ったが、僕らはナザ爺に基礎基本から応用まで叩き込まれていた為、簡単に解けた。
これから実技試験が始まる所だ。
「これからあの的を魔法を使って攻撃して貰います。各属性に対応した的が有るのでそこで魔法を打って下さい」
と説明された。
他の受験者達は皆口々に詠唱を始めた。
「この熱き我に穢れを晴らす炎の力を、フレイムボール」
「水の様に激しく、アクアガン」
「サンダーボルト」
殆どが詠唱魔法で初級だったが、中には半詠唱を使う者もいた。
そろそろ僕らの番だ、
初めはガレティア、彼女は魔法より剣の方が上手いがここに居る人達よりは上位だろう。
「フレイムドーン、アクアマジェスティ、ウィンドボム、グランドバースト」
彼女が魔法を打つと周りが騒ついた。
「アレ全部中級だろ」
「しかも半詠唱」
「とんでもない奴と一緒に受けたな」
次はルマの版だ。
「フラム、ボルテックス、ハリケーン、アイシクル、グラス」
的はボロボロに崩れていた。
更に騒つく。
「さっきの子も凄かったのにこっちも凄いな」
「全部上級で半詠唱」
「これじゃ落ちたな」
「時を戻し、元の姿に戻れ修復」
ルマが詠唱すると瞬く間に的がまた通りになる。
最後は僕の番だ。
思うは燃える物。木や石炭、ガスなど、後は空気正確には酸素。元となる種火、それらを合わせるイメージを持つ。
イメージが終わった瞬間手から青色の焔が出た。
僕はすかさずイメージを持つ。
雲の中にある水蒸気、氷の粒、それらが擦り合う。
段々増える静電気、頭の中で雷鳴が鳴る。
次は電気が走る。
的は粉砕、ルマでも修復不可能だ。
他の受験者は皆唖然とした。
ルマとガレティアはこんなのいつも通りだと平然としている。
「今年は有望な生徒が多いですね」
「門番曰く、あのナザバル様のお孫様が居るとか」
この日はこれで終わった。
結果が出るのは明後日、明日は完全なフリーだ。
明日はそれぞれ、行きたい場所に行った。
僕は、ディスが行きたい場所に行った。
そして結果発表当日
僕は今回トップだった。
無詠唱が使えてあれだけ筆記も解ければ当然と言えるだろう。
2位はルマだと思っていたが、ルマは3位ガレティアは4位だった。
まじまじと見て居ると、誰かが僕に話かけてきた。
「君が一位のエクステン=ウィレーズ君かい?僕は
二位のクロノロス=ヴァーリル。クロノスとでも読んで」
そう言えば実技で僕らの他にそこそこ魔法が使える人が居た。多分このクロノロスだったのだろう。
「そうね僕がエクステン=ウィレーズだよ。宜しく」
「クラス同じらしいから一緒行かない?」
「場所分かんなかったから丁度良かったよ。早く行こ」
これから楽しい学園生活が始まる筈だった。
現実は上手くは行かなかった。
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