第二話魔族との融合

 僕は楽しみにしていた日がある。それは今日8月11日、僕の16歳の誕生日だ。


この世界では16歳になると魔法学園『リバティスロゼッテス』に入学する権利を貰うことが出来る。


僕はそこで更なるスキルアップする為に入学試験を受ける事にした。


リバティスロゼッテス入学に家族全員が応援してくれた。


リバティスロゼッテスが有る王都ヘズシルへ向かう日になった。


部屋で準備していると声が聞こえた。


「おーい、エク〜早くしなよ〜」


ルマ=リーナイトだ。ルマは僕と同じ村に住んでいる幼馴染だ。


「分かってる、今行くよ」


窓から外へ言うとルマの隣には、ガレティアもいた。

ガレティアもルマと同じく僕の幼馴染だ。


この二人も僕と同じく、リバティスロゼッテスの入学試験を受けに行くのだ。


僕が住んでる村からヘズシルまでは3日かかる。途中に村も無いから野宿することになる。そのための荷物を持ち、僕たち3人は出発した。


その夜、森の中で野宿することにした。


この森はゴブリンやスライムなどの初級モンスターしか居ない比較的安全な森だ。


だが、何があるか分からないため僕とガレティア交代で見守りをすることになった。


二人が寝ていると、森の奥で何やら音が聞こえる。


そうっと近づく、

ゴブリンにリンチされる人らしき黒い影


僕はその影助けに行った。


ゴブリンたちは僕を見るなりすぐに逃げて行った。


「あ、あの~大丈夫ですか?」


僕な声をかけその姿を見ると驚いた。


長い耳に、黒っぽい肌、血のような赤い目。


そこに居たのは、魔族の少年だった。


おそらく200年前に封印された魔族の生き残りだろう。

「僕は見てわかるように人間で、エクステン=ウィレーズって言うんだ。気軽にエクってでも呼んで」

取り合えず自己紹介をした。


「私は、魔族のディスナイル。200年前に封印された魔族の生き残りだよ」


「どうして、ゴブリンなんかにやられていたんです?」


「私は魔族の中でも強い方なんだが、長く生きていると力も衰える。もう時期私は死ぬ。力を使うと寿命も縮む、少しでも長く生きて居たかったんだ」


こう言ったディスナイルは更に

「私を助けてくれた事は感謝する、厚かましいと思うが私の頼みをもう一つだけ聞いてくれないか?」


と僕に言ってきた。


内容だけでも聞いてから決断しても遅く無いと思った

エクは


「因みに頼みって何?」

と聞いた。


「私と融合して欲しい。私と融合すれば私の力を使える、私ももう少し長く生きられる。君にとっても良い頼みだと思うんだが…」


僕は興奮した。


まさかあの魔族との融合だなんて夢にも思わなかった。

この人は他の魔族とは違く優しい心を持っている事が分かった。

何故分かったかって?それは僕の覚えているスキルの力。スキルについてはまた後で。

これならアレも出来るはず!


「融合する!逆に言いますさせて下さい」


「有難う、これで私と君との契約は成立だ。まぁ契約って言っても形だけなんだけどね。君が私と話したかったら話しかけると会話できるから。これから宜しく。」


「なぁ融合したのに君扱いとは…エクって呼んでくれよディス」


「分かったよ宜しくエク」


こうして僕は魔族ディスナイルと融合した。


僕は急いで皆の元へ戻った


戻る途中ディスにこの事を誰かに言わない方が良いか聞いた。


信頼できる人には言ったほうが良いと言われ少し驚いた。


次の日の朝、僕は二人にこの事を伝えたが二人は驚かなかった。逆に話してみたいと言う。


僕は急いでディスと会話出来る機械を作った。


簡単言うとディスの本体を二つに分け片方は僕の体の中に、もう片方はこの装置に入れる。


そうする事によって、ルマもガレティアもディスと会話出来る様になる。


僕は二人のディスへの質問攻めで分かった事が二つ有る。


ディスは女性だった事と、ディスは、地球日本を知っている事。


驚く事にディスは、元の世界で僕と一緒にゲームをしていた、『雨宮彩』だった。


僕は彩の事を彩姉と慕っていた。


この事をナザ爺にも伝えたが、

「良い事じゃ無いか。精進しなさい」

のみで終わった。


僕は二人に異世界から転生してきた事を伝えたが、大して驚いては居なかった。


「何となく知ってたよ、だってエクこの世界の物じゃ無い言葉話すんだもん」

とルマが言う。ガレティアも頷く。


そんな事を話して居るとようやく見えてきた。


アレが王都ヘズシル、僕らの目的地だ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る