夢のある人々
A「将来の夢とか昔学校で書かされたじゃん」
B「あー、ね。なんかあった気がする」
C「面倒臭くてスーパーヒーローって書いて進路指導室に呼ばれたわ」
D「今は戦隊ものの仕事についているし結果的に嘘じゃなかったのが面白いよね」
C「俺は有言実行する男だからな」
B「びっくりさせられたよなぁ。で、その将来の夢がなに?」
A「いや、当時はそんなこと言われてもってみんなてきとうなこと書いたじゃん?あの時は夢が無いなんて皆同じだよな、なんてほっとしていて。でも蓋を開けたら全員何かしらの仕事には就いて活躍している。こいつに至っては今や立派なお医者様」
E「やめてくれよ。そんな大層なものじゃない。親が医者だから……」
A「かたや俺は相変わらずバカで不真面目で仕事をふらふらし過ぎて次の仕事自体決まらなくなってきた。俺には何も無いんだ。お前らが羨ましいよ。もっとあの時ちゃんと夢や希望とやらに向き合えばよかった」
D「うーん……、俺も結局夢とか答え出なくてさ、好きなことがしたいって思って好きなことをするためにはお金がいるから就職しただけなんだよね」
B「俺も俺も。むしろ先公に将来の夢はって訊かれたくらいで今の今までずっと悩んできたお前が一番真面目なのかもな」
A「それでも俺はお前らにはなんか夢みたいなものがあって羨ましいよ」
D「転職できずに気が滅入っているだろ、大丈夫だって」
E「あ、ごめん、救急で入ったみたい。もう行くわ」
C「お!現実のスーパーヒーロー、患者の命を救いに頑張りたまえ!」
E「ははは……お疲れ様」
E以外全員「「「「お疲れー」」」」
A「かっこいいな、夢がある」
C「わかる。白衣姿のあいつ、まじでかっこいいよな」
D「あ、もう寝ようかな」
B「俺も」
A「じゃあもう通話切るな、お疲れー」
C「おつー」
E「……いいなぁ、何も無いって。夢がある」
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