第12話
よく分からないけど、彼女の本気を感じた。
セックスの後。
彼女がふるふると震わせている。
「あ、あの」
お。
彼女。声が出た。か細く小さな、口に耳をくっつけていないと聞こえない声。
「きこえますか、えくすきゅうずみい」
よく分からないので、一回彼女とセックスした。
「しゃべ、しゃべれなくなるう」
セックスの後。耳を口にくっつけたら、そう喋った。そして、耳をあむあむしはじめた。一通り耳を食べてから、再び、か細く小さな声。
「わたしのこと、すき?」
なんで?
「わたしのこと、すきでも、きらいでも、なさそう、だった、から」
好きですけど。
「ほんとに?」
最初はどうでもよかった。好きでもきらいでもなかった。
「それは、へこむ」
セックスしてからかなあ。最初のセックスで。あ、この人と一生一緒でもいいなって思ったけど。
「ほんとに?」
ほんとに。
「ありがとう。うれしい」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます