《終着》――ノット・フィクション・トゥルー・デイズ
少女は頭痛に顔をしかめながら、ゆっくりと目を開けた――
視線の先に広がるのは、
その中にはなんと、
(こんな無茶苦茶が出来るのは、彼だけ……)
そう、時は決戦――
今まさに、激闘を繰り広げる二人の姿が在りッッ!!
「ホッホッホ、諦めよアキハル!
「
もう一方は、V字サングラスの奥に不屈の闘志を秘めた、
その肉体には夥しい傷が刻まれ、全身が血に塗れ、フラフラと揺れながらなんとか立っている有様だった。
「余の
「ナ”ア”ァ”ァ”ァ”ァ”ァ”ッ”ア”ッ”ッ”!!」
「ホホーーッ!
凄まじい
アキハルは反撃に転じるどころか、その場から動くことすら出来ないッッ!
それもそのはず、連戦に次ぐ連戦でアキハルの疲労は限界に達していた!
いかな
「もうやめて! 早く逃げて!」
少女の呼びかけに、アキハルは不敵な笑みを浮かべる……!
「よォ、待たせたな
アキハルの口から、ボタボタと血が零れる。
「最初から思ってたんだ。俺とお前は
「いいから逃げてください! いまのアナタでは勝ち目が……!」
「
アキハルは
「そういうワケだ。
「やかましい!
「ぐううぅぅぅぅーーーッッッ!!」
「
ボロボロの体を引きずり、全身ズタズタに引き裂かれた少女を抱き寄せる。
「オイ! 大丈夫か!」
「……人の心配をしている場合じゃないでしょう、あなたは」
アキハルの傷だらけの掌に、暖かい光が灯る。
「この
「
少女は血を吐きながら「私がこんな
「ふふ……おかしいですよね。なにもかもブッ壊してやろうって決めたのに、与えられたのは人を回復させるだけの
口調が少しずつ弱々しくなり、アキハルに
「もう疲れちゃいました。こんなもののために十二年も振り回されて、馬鹿みたい。私は一体、なにがしたくて生まれてきたんでしょう……」
少女はゆっくりと目を閉じて、最後に少しだけ血を吐いた。
アキハルはまだ温もりの残された掌を、やさしく握りしめた。
「――どんな
己が両足で立ち上がり、そして
「お前は生きた。例えどんな日々であろうとも、力の限り――だからお前が生きてきた日々は、
「
「何度かかってこようと無駄じゃ! 今度こそ死んでたもれェェェ!!」
「くたばるのはテメェだ、クズ野郎ッ!」
飛来する
凄まじい衝撃波が飛び、火花が散るッッ!!
「バカな!? 余の
「ダァァァラッシャァァァッッ!!」
BGYRRRRRSH!!
「
「バカな……! 余は
「
アキハルは
「
「や、やめろ!
「
アキハルの
「――やれやれ」
頭部を失った
「メランコリーだゼ」
アキハルもまた、血に塗れた己の手をじっと見つめながら、ゆっくりと地面へと倒れていった。
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