《開闢》――バトル・オブ・ランスター

「ギャアーッ! 火災ッッ!」


 絶叫轟くストリーミング深夜二時ミッドナイト――大火災レッドクリフ


 巨大倉庫ドーム業火レーヴァテインに包まれ、地獄の有様ヘル・オン・アースではないか!?


「見張りも全員死亡ゼツメツッ! なんだってんだ!」


 命からがら脱出した大男が地べたを転げまわってスーツの火を消化ッ!

 ――九死一生なんとかなったッッ!!


 彼は忠臣蔵ちゅうしんぐら管理責任者ゲイトキーパーを任されし幹部エライヤクザ、ランスターである!


「ハァハァ落ち着け。冷静になれクールダウン


 彼は呼吸を整えつつ「まずは状況の把握が先決」と言い聞かせる。


 損害状況シチュエイション――倉庫の麻薬はすべて灰燼に帰ゴー・トゥ・アッシュし、百人以上の戦闘員が死亡オダブツ


「け、ケジメ……死ッッ!!」


 説明責任を問われる前に、一刻も早く亡命フライアウェイするのが賢明かしこいッ!


 震える両足に喝を入れ、立ち上がろうとした――その瞬間ッ!


参上よう――今宵トゥナイト殺戮会場パーリィーホールになナウ


 な、なんと……真夜中であるにも関わらずV字サングラスをかけた黒頭巾ブラック・フード半裸男ハーフ・ネイキッドが、十字架クロスポーズでこちらを見下しているではないか!?


 しかも両手にはそれぞれ軽反動自動掃射砲ガトリング・ガンと、超ド級最終弦楽鈍器アルティメット・バイオリンを掲げているのだ!!


 奇妙オカシイ奇怪コワイ奇抜ヤバイ――! 決して関わりたくない不審人物クレイジー・メン


 だが、ランスターは彼を知っていたアイノウユーッッ!!


「ア、ア、ア、アキハルゥゥゥ!? 貴様なぜここに!?」


「はいどーも、アキハルです。いや何故もクソもないワケよ笑。言っちゃぁなんだけど俺ァ麻薬組織シンジケートのいるところなら神出鬼没どこでもドア皆殺しにするキリングオールってそれ一番言われてっから」


 アキハルはランスターの背を容赦なく踏みつけたッ!


「ギャーーッ!!」


さっさと吐きなゲロ・プリーズ、fake野郎。テメェの頭領ヘッズWhere are youどこですか?」


噂通りの狂人コワイ……! だがここで貴様に会ったのは好都合ッ!」


「ア?」


数多の麻薬組織メニー・メニー・シンジケート壊滅デストロイした狂人ルナティッカー! その首を持ち帰ったとなれば今回の失態チョンボも帳消しよッッ!」


 ランスターは一瞬のスキを突いてポケットから注射器アンプルを取り出し、一切の躊躇なくノン・ストッパブルで己の首筋に突き立てた!


開闢ひらけ、異能開花エヴォルヴァーァァ!!」


 慟哭シャウト! その瞬間、男の肉体が驚異的な勢いヴァイブスで膨張し、

 スーツが弾け飛んでしまったビック・バンッ!


何だってんだ、一体ファッキ〇マザーファッ〇ー……!?」


 一瞬の動揺を突いたランスターは、素早く立ちあがって近接戦闘姿勢ファインティングポーズ

 そのまま流れるように零距離打撃ワン・インチ・パンチ放ったシュート


 アキハルの頬にするどい切り傷が走るラン・ザ・ペイン――! 鮮血が飛び夜闇を舞うナイト・アミーゴ


解放エヴォルブした俺の拳を避けるか! 少しは出来るようだな!」


「オメー、ただの雑魚ピーポーじゃねェな?」


 アキハルは冷静クール観察ウォッチした。注射器アンプルを打った瞬間から別人のように生まれ変わった男の姿を。


 八つに割れた腹筋エイト・パックに、山の如く隆起したヒマラヤ上腕二頭筋バイセップス――いずれも典型的スタンダード薬物増強ドーピングによる筋肥大バルクアップ――だが問題はそこではない!


 ランスターの肩甲骨ショルダー・ブレイドから、本来無いはずの筋肉が――そう、言うなればジェット機を思わせる巨大な噴出口ビック・ヴァルホークが生えているのだ!


 爆音BOOON轟音BOOON……! おぞましい筋肉の噴出口ヴァルホークから、空気を吸入エアードレイン放出音バーストラップが響き渡るッ!


(ただの薬物増強ドーピングとは思えねェ規模レベル変貌カフカ――なにが起こってる?)


「いい表情だぜアキハルゥゥ!! なにが起こったのかまるで理解不能アンダスタンドってメーンしてやがる!!」


 空気の放出エア・バーストと同時に繰り出される神速の拳ソニック・ジャブ! アキハルは一つ一つを冷静クールに見切って致命傷を回避するが、細かいHitが徐々に積み重なってゆくッ!


冥土の土産ハデス・プレゼンツ教えてやるよティーチミー! 異能開花エヴォルヴァーは人の遺伝子を強制的に進化させ、異能チカラを授ける麻薬ヤクだ!」


受容なるほど。つまり、その化物じみた躰モンスター・フィジカルは……」


「そう、この肉体こそ異能開花エヴォルヴァーによって得たエアロの力! 肩甲骨ショルダー・ブレイドから空気エア吸入ドレインし、拳を放つシュートのタイミングで放出バースト! その答えが、この光速にして鈍重な一撃ソニック&グラビティブロウというわけだ!」


「……やれやれ。まるで救いようのねぇキャント・サルヴァーレfake野郎だゼ」


「……なんだと?」


異能エヴォルブだかなんだか知らねぇケド、麻薬ヤクで得た偽物の力フェイク・パゥワーで強くなった気ィしてんじゃねェぞ? ――弱く見えるゼライク・ア・ワナビー?」


ほざけシャラップ・狂人ルナティッカー!! 貴様はそのfake野郎にK.Oされるのだッ!」


 ランスターが右腕を大きく振りかぶったジャイアント・スイング瞬間、肩甲骨ショルダー・ブレイド超絶慟哭キリング・バーストッッ!!


異能奥義ラストエヴォルヴ――四風死連打スーフォンツリェンターッ!!」


 渾身の右ストレートがアキハルの鳩尾ポゥ直撃クリティカル・ヒットッッ!! だが、それだけでは終わらない!


 噴出口ヴァルホークから放たれた空気エアロ夜の静寂を切り裂くことサイレント・ナイト・スラッシャー連続して四回リフレイン・フォー――!


 光速にして鈍重な一撃ソニック&グラビティブロウ四連打ツェリンターがアキハルを襲来おそうッッ……!


「どうだ! インド象さえ一撃で絶命オヤスミさせる我が奥義エヴォルブは!」


 さすがの狂人アキハルとて即死サヨナラは免れないだろう! ランスターは自らの勝利を確信した――だが!


腰の入ってねェ情けねェフェイク・フェイク・フェイク・フェイクパンチだぜ……」


 アキハルは十字架クロスポーズを崩さず、あろうことか余裕の笑みアルカイック・スマイルさえ浮かべたではないか!?


 その眼光に射抜かれたランスターは、命の危機ヤバイ・ピンチに震えたッ!


「バカな!? なぜ立っていられる、アキハルッ!」


真の男トゥルー昏倒オヤスミ程度くらいじゃ止まらねぇ――俺ァ魂で立ってんだアイ・アム・アンストッパブル・モンスター分かるかオーケー?」


「…………ッッ???」


「分かんねぇだろうさ。fake野郎テメェにはな――」


 アキハルはその場で上半身を限界まで捩じり、竜巻キャサリンのごとく究極旋回スピンオーバーッッ!!


本当のトゥルー一撃ブロウってのは、こういう風にヤラァ”ァ”ァ”ア”ア”ァ”イ”イ”ッッ!!」


 一本足打法キング・オブ・バッティングから繰り出される超ド級最終弦楽鈍器アルティメット・バイオリンの一撃がランスターの胴体を捉えたッッ!!


「ぐおわーーーーッッ!?」


 DGRRRRRRSH!! 奏でられる破壊の旋律メロディアス・トラップビートッッ!!

 質量グラビティ×速度スピード×感情エモーショナル完全な方程式パーフェクト・フェルマーによって生まれた一撃トゥルー炸裂アルマゲドンッッ!!


 ランスターは全身粉砕骨折の憂き目に遭うグチャグチャのボキボキでヤバいッッ!!


 そのまま地面を転げまわり、もう二度と起き上がることは出来ぬ……!!


「どうだ? 本当の一撃は骨身に染みたかギフテッド・トゥルーブロウ?」


「お、おのれアキハル……! このままでは済まさんぞ……! いずれ他の幹部エライヤクザたちが貴様を殺しに来るだろう! せいぜい怯えながら余生を過ごすがいい!」


「そいつは楽しみだゼ」


 アキハルはランスターの首をめがけて、ナイスショットみんなのゴ〇フをお見舞いしたッッ!!


 そして夜空にまた一つ、新しい星が瞬くトゥインクル


「やれやれ、メランコリーだゼ」


 彼は飛翔する生首シューティング・スターを見送りながら、十二㎎の幸運ルーシー・ストライク火をつけボンファイアリット・二本で吸ったエンド・ダブルドライヴ











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