十二種族伝説。キャラクター達は別の世界から異能やら魔法やら高度な科学技術のあるワンダーランドへやって来て旅をして、味方に出会い、魔物、怪物を倒し、世界の秘密真相に迫り、ボスを倒します。
バーミヤン遺跡にて、ホログラムの知能と遭遇する
バーミヤン遺跡にて、ホログラムの知能と遭遇する
バーミヤン遺跡に着くと、空の持っていた首飾りが、眩い銀色に輝き光はじめた。
「こ、これは、なんと。」
レベッカは驚き、仰け反った。
「空の首飾りが共鳴している、降魔の儀式か。」
バーミヤン遺跡には、巨大な正三角形の建造物や、古の生物か、神かと思われし、鳥の守護神の像と、ライオンの守護神の像が立ち並んでいる。柱に囲まれた、神殿の奥には、魔導書を持った、男の像が壁に彫られている、30メートルはある。
何だか、神聖で、何処か、懐かしい場所だ、と私は思った。レベッカは、遺跡の建造物や、置物、道具を観察し、スケッチしていた。
首飾り、は遺跡に来てからずっと光っている。遺跡の門を抜けた辺りからずっとだ。
「特に、目新しいものは無いが・・・。興味深い遺跡だ。」
レベッカは、遺跡の造設物を目をキラキラと輝かせ、観察し、考察をまとめていた。
一通り、遺跡を回ったが、特に、アルパカ文明や、天空の城についての記述や、情報は得られなかった。
遺跡の中心部にある、宝物庫を後にした時、妙な地下通路を見つけた。
「レベッカさん。この階段、下に繋がってますよ。」
階段の先は真っ暗で何も見えない。
「火遊び 灯火。」
レベッカは火遊びの魔法を使い、火の光で、辺りを照らした。
「行ってみるか。」
「はい。」
階段を降りていく中で、首飾の光はだんだんと、強くなっていった。
「共鳴が強くなっています。」
首飾の光は、真っ暗な階段を一面照らすほどに輝き始めていた。
階段を抜けると、広い場所に出た。
床には、ミステリーサークルで描かれた魔法陣が書かれている。天井は、アーチに成っており、鏡のガラス張りになっている、美しい色とりどりのガラスのアーチだ。
壁には、壁画が描かれていた。何処かで見た事のある絵だ。
「ノルドアの絵本と全く同じ絵だ。」
レベッカは驚愕の表情でぽつりと小声で叫んだ。
ノルドアの絵本の絵が、描かれている。
水色の配線が光で壁を照らしている。
中央には、巨大な円柱の機械があった。どうやらコンピューターであり、稼働中だ。
「何かの計算をしている。」
レベッカは中央の円柱を見ていった。
コンピュータを触る。
ディスプレイのモニターが付いた。すると、3dホログラムとなって、映像が映し出される。
「未だ、2000年の時は経っておらんぞ、約束の時まであと、21年。じゃ。」
映し出されたホログラムには、髭の生えた叔父さんの姿があった。
「お主等は・・・。ああ、なるほど、にしたって、何しに、天空の人間がきたのだ。理由が分からんなあ。全くに、天空と地上は断絶中だろう。」
髭の男は、何やら思案すると、言った。
「首飾を持っているという事は、御前さん達、天空文化の守護だろう。守護ならば、天空を守る仕事があるはずだ。お主、飛ばされたか。天空は陥落寸前なのやも知れぬな。思ったより重、事態は進んでいるようだ。」
何を言っているのかさっぱりわからなかった。
「私は、空から落ちて記憶を失くしたため、記憶を取り戻すために、天空の手がかりを探しに、バーミヤン遺跡へやって来たのだ。」
髭の男は、話をきくと、気の毒そうに言った。
「記憶喪失か。っそれとも・・・、記憶消去魔法による口封じかじゃな。首飾をよく見せてくれないか。」
私は男に首飾を見せた。
「ふうむ。天空の戦士団、戦士長の紋章が刻まれておるワイ。お主、天空では、戦士だったようじゃな。それも戦士長ともなれば、お主がおらぬことで、困っておる奴もいるであろう。もう、天空は、人間の手に落ちているやも知れんがな。」
人間の手・・・。一体なんの事だ。
「よく見てみれば、人間が来ているようじゃな。魔力の強い人間じゃな。」
髭の男はレベッカを見ていった。
「人間とは、私の事だ。私はレベッカ。冒険家だ。」
レベッカのピンク色の髪と、目を見て、髭の男は言った。
「アリス家のものか。強力な魔力の理由も解る。」
アリス家とは何なのだろうか。レベッカの事を知っているのか。
「どうして、我が一族の事を知っている。」
「アリス家の呪を知らないわけはなかろう。呪縛だ。引き換えに力を手に入れた。勿論生贄の儀式は未だ続いておるのであろうな。」
生贄の儀式・・・。一体・・・。
レベッカは、目を見開き驚愕の表情を浮かべた。
「ま・・・、さか。あれは事実だったの。」
「どうやら訳ありのようだな。一家の中でも特権を持ったものしか知れない機密にでもな
っているといった処か。」
レベッカは動揺を隠しきれない様子であったが、やがて
「空は一体何者なのだ。」
と尋ねた。
「天空の戦士長であり、人間では、無い。鳥人さ。天使の羽を隠しているのか、折られたのかは知れんが、奴は人間では無い。それに、本当の名前もある。」
私には、羽が、あったのか。
鳥人。
どうして、地上に落ちて終ったのか。
頭が痛い。
「天空城に行きたけりゃ。左の扉を抜けた先に行きな。空間転移装置があるはずだ、天空に繋がっている。」
九十度ごとに四つの扉のある、直径50M程の円の床と、天井の場所の中央にコンピュータがある。
左の扉の先に空間転移装置があるらしかった。
「には何があるんだ。」
「言えないねえ、悪いが特定機密事項なんだ。西の扉を開けるのは天使長である、御前の連れがいるからだ。首飾がなけりゃ、そもそも、階段を見つけられなかっただろう。階段は、特定のトーテムと血族に反応して、現れるようになっている。」
だから、階段の存在に気が付けたのか。
壁に突然、階段が現れたが、勘違いだと考えていた。
首飾と血に反応して、遺跡のシステムが壁に階段の道を出現させたのである。
「御前は一体、何者なんだ。味方なのか。敵なのか。」
レベッカは、怪訝に睨みつけた。
「怖いねえ。やめてくれないか。私は、君たちの敵でも味方でもない。今の所はね。約束の時が来るまでは、僕は動く事が出来ないからね。遺跡の守護をしなくちゃならない。」
どうやら、詳しい事は言えないようである。
「そりゃ、残念だ。」
左の扉を開くと、通路があった。
海よりも深い深青色の光に包まれた世界が通路を囲んでいる。深海であった。ガラス張りの壁の外は水である。
「地下に海水があるなんておかしいわ。」
レベッカは、奇妙なものでもみている目で周囲を見渡した。
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